幕を開けるは命をかけた純愛歌曲
総合 |
シナリオ |
キャラ |
絵 |
音楽 |
エロ |
主人公 |
ゲーム性 |
NO.1キャラ |
86 |
9 |
8 |
8 |
10 |
5 |
7 |
― |
宇佐美ハル |
直接的なネタばれは避けますが、ネタばれに近いものは出ると思うんで覚悟してください。
シナリオ 9
このゲームは章ごとに分かれており、各章にはメインとなるヒロインが設定されていて、そのヒロインよりの選択肢を選ぶとルートに入り、それ以降の章には進めなくなります。例えば2章で椿姫に関わりまくると椿姫ルートに突入。以降魔王も出なくなってしまいます(ただし、冷たくしすぎると主人公が悪に染まりすぎてバッドになったりもします)。
ゲームは主に3つのパートに分けられます。日常会話部分、魔王との推理対決部分、ヒロインとの交流等のドラマ部分です。まず日常会話は微妙な部分も多いですがハルの独特すぎる性格、エテ吉との部活とかは面白かったです。
次にこのゲームの大部分を占める対決部分ですが、正直ここはいまいちでした。基本的に主人公とハルは魔王に負けっぱなし、いつも行動は後手後手でかっこよくBGMを決めて行動しても、結局は罠にはまって裏をかかれっぱなし、ハルは思っていたほど活躍しませんし、主人公何か微塵も活躍しませんし、同じことの繰り返していまいちすっきりできません。もっとスピーディな攻守逆転劇を演じてほしかったですね。推理に関しても大げさにふるまっていても中身は単純だったりして、すごく見せようとして失敗しているような印象さえ受けます。序盤から出てくる数多くの伏線に関しても解決されなかったり、どうにも納得がいかない解決法だったり(主人公の頭痛とか)が多いです。あと最大の敵である魔王の行動がちぐはぐだったりするのも・・・何かやっていることはでかいんだけど、どうもアホっぽいというか・・・。知略、戦略、戦術に関しては天才的ですが、やっていることがかなり見当はずれだったりしてました。魔王の正体も伏線張りすぎて逆に分かりやすかったり、前述のような伏線の矛盾が生まれてたりしましたし・・・。
最後にドラマ部分ですが、この部分はかなり面白かったです。主人公の心の移り変わりや、ヒロインたちの表と裏など見どころ要素が盛りだくさん。人間の感情の変化の描写が丁寧に書かれていて、その様子は見ているだけで単純に面白いです。恋愛描写に関してはヒロインたちは開始時点で主人公に惚れているのではほとんどなかったり、萌え関係も薄いですし期待しない方がいいです。まあ、元々萌えゲーとは似ても似つかないシナリオですしねぇ。
そしてこのゲームの一番の見どころが最終章です。最終章までは面白かったけど、ちょっと不満も残るなぁぐらいの感想だったんですが、最終章をやって評価が変わりました。泣けます。それまで活躍しなかった主人公がかっこいいところを見せ、それからは感動のシーンの連続、そしてラストのシーンで号泣。音楽の良さもあってマジで泣けました。ただまあ、泣けたんですけどちょっと終わるのが早すぎたなような・・・もう少し先のシーンまでやってから終わって欲しかったです。
キャラ 8
宇佐美ハル
容姿、性格ともにかなり独特なキャラ。こういう個性的なキャラは大好きです。普段のだるそうな声もいいですし、魔王と対峙する時の凛々しい声もいい感じです。最初はいいキャラだけど、萌えそうにないなぁと思っていたんですが、主人公に対して特殊なアプローチ(不器用ともいう)は見ていて微笑ましいですし、単純にかわいくて萌えます。
魔王との対決では活躍はしましたが、正直いてもいなくても変わらない部分も多く微妙でしたが、あのひらめいたシーンの絵はかっこよくて大好きです。ラストの対面は本当に感動しましたね。このゲームやってよかったと心から思えました。
浅井花音
ダークホース。個別入るまではただのワガママ傍若無人キャラとしての面しかないので、正直ウザいと思っていたんですが個別に入って裏の顔が見れるようになって評価が変わりました。あの迫力がとってもいい感じ。そしてシナリオは思っていたよりもずっとおもしろかったです。ハル以外のヒロイン勢では圧倒的に完成度が上。ラストのスケートのシーンはありきたりながらも感動して心が震えましたね。ヒロイン自体は最後まで微妙な感じもしましたが、面白かったです。
美輪椿姫
最初は主人公と同じように、無条件に人を信じる性格や弟が悪いことをしても全く責めようとしない様子に嫌になっていましたが、事件により色々な感情を知り、どんどん人間らしくなっていく様子は見ごたえがありました。ルートに入らなかった時の、長い年月をかけて積み上げてきたという主人公の台詞はちょっと胸に来ましたね。ルートに入るとちょっとクドいところもあるので、入らない時の方やバッドで悪に染まる方が好きです。普通にかわいい女の子ですね。
白鳥水羽
終わってみると驚くほど印象が薄いキャラ。一応4章のメインヒロインですが、ユキに完全に出番をもっていかれてますし、個別ルートも他ヒロインと比べて特に大きな事件があるわけでもなく(権三でなくなったり・・・)、内容的にもハルルートとかぶるところがあり、とにかく印象が薄いです。一応ツンデレ系、ツンの理由とかデレになる経緯とかものすごく女の子していてビックリしました。可愛いんだけど、このゲームには似合わないかなぁって感じです。
時田ユキ
サブヒロイン扱いでHシーンもないですが、4章ではメインの水羽を差し置いてメインになってたりします。4章というそろそろワンパターンな鬼ごっこはやめてほしいなぁと思っていた時の彼女の活躍はシナリオを盛り上げるのに大いに役立った感じですね。ただ、その活躍は4章どまりで、5章では全くと言っていいほど活躍しなかったのは残念。水羽ルートでの水羽と主人公をくっつけようとする姿が巧妙で面白かったです。立ち位置とか性格とかすごくいいキャラでした。
相沢栄一
一般人代表。よくいる主人公の友達だけどシナリオには深く絡まないで後半フェードアウト系のキャラだと思ったんですが、最終章で意外な活躍をします。それまでただのアホキャラだと思ってたんですが、あれで結構株あげましたね。シナリオ的にも盛り上がってすごく良かったです。普段の言動は救いようがないほどアホですが、面白くていいやつでした。
浅井権三
獣の王。頭も切れるキャラ。ただ、終わってみると最初の食事シーン以外はあんまり凶暴さを発揮した場面はなかったですね。大きな見せ場と言えるのも死ぬシーンだけですし・・・。凶暴というのはともかく、ものすごい人物というのは最初は伝わりにくかったです。むしろ死んだあと主人公の「ヤツはきっと、いまごろぶちキレているでしょう。聞こえませんかね、怪物の雄たけびが……」のセリフとその時の主人公の迫力を見て、初めて権三のすごさを肌で感じられました。
主人公 浅井京介 7
最終章でものすごく男をあげたけど、それまでの不甲斐無さがあってこの点数です。とにかく役に立ってないのが印象的。魔王との対決はハルが主体で主人公はやくざを使える助手ぐらいの扱いで、ゲーム中に延べられたようなワトソン的活躍すら出来てません。シナリオの伏線と謎のためにしょっちゅう具合悪くなりますし・・・。個別ヒロインルートに入ると、各ヒロインたちとふれあうことによって少しずつ変わっていく(場合によっては悪に染まる)様子がいい感じですが、メインのハルルートだとふがいなさの方がどうしても目立ちます。せめてハル並とは言わないけど、近いくらいの実力はあって欲しかったです。何か仕事は出来ても、普通の人よりはちょっとだけ頭が良い程度の青年って感じですね。
ただ、最終章ではかなりかっこよかったです。留置所のシーンとか、ラストのシーンとか胸がいっぱいになって泣いてしまいましたし、それまえの不甲斐無さを帳消しにするようなかっこよさでした。大好きになりましたね。
絵 8
枚数もそこそこ多いですし、出来も結構いいです。キャラデザは好みですね。特にハルの立ち絵は色々とあってとてもいい感じです。ムービーは曲のテンポに合わせて変わる映像がぴったりで完成度の高い出来になっています。
音楽 10
これはガチでよかったです。曲数多いですし、どの曲もいい曲ばかりですし、マジで良かったです。かなり力入ってます。推理部分がつまらない時でも、音楽がよかったので盛り上がったという部分がかなりあります。。歌は全3曲、主題歌の「ANSWER」はテンポが良くてスピード感のあり非常に盛り上がる曲になっており、歌もいいですが、アレンジVerのBGMがかなりいいです。特に「愛した女」がお気に入り。挿入歌はしっとりとした落ち着いた曲で、サビの部分の盛り上がりが半端じゃないです。EDの「雪の羽、時の風」は他2つと比べるとあんまり特徴はないです。
エロ 5
一応各キャラ2〜3回あったりとシリアス系の割には回数あります。ただまあ薄いです。
その他
スタート画面の選択部分がみんな英語で、しかも読みづらい字体なんで苦労しました。
総合 86
延期の末発売されたこのゲーム、何気にあかべのゲームはシリアス系初めてだったのですが期待通り面白かったです。体験版やった時は1章と2章での鬼ごっこがほとんど変わらなくて退屈だったり、ゲームをやり始めても魔王に関して後手後手すぎて微妙な感じでしたが、人の裏表の描写や、5章でのドンパチ、そして最終章をやって、最終的な満足度はかなり高いです。不満も多いですが、とにかく面白かったゲームでした。
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