この青空に約束を−


キミと交わした“あの日”の約束は、いまもこの島に息づいている――



総合 シナリオ キャラ 音楽 エロ 主人公 ゲーム性 NO.1キャラ
96 10 10 9 10 8 9 羽山海己

シナリオ 10

会話が面白い要素としては、キャラの良さや、音楽の良さ、テキストのセンス、テンポ、雰囲気、演出などいろいろな要素が考えられますが、この全てにおいて高レベルにまとまっています。ゲームを始めてすぐにこの世界に引き込まれました。これだけバランスよく高レベルだとどこから褒めていいのかわかりません!!

シナリオは、日常シーンは笑えて、ここぞというシーンでは泣けて、とてもいい感じです。笑い面はネタを随所にはめ込みながらも、つい自然に笑ってしまうみたいなのが多く、感動もあからさまにここは感動のシーンですよ〜みたいな感じがぜんぜん伝わってこないで思わず涙してしまうみたいな、ちょっと言葉にしづらいぐらいの完成度です。その涙も鬱とかそういうのでは全然なく、涙を流しながら大笑いできるような、そんな学生時代特有の爽快感があります。シリアスの中にさりげなく笑いを入れたりする手法も見事!!

シナリオは徐々に仲良くなって結ばれて事件がおきて解決してENDという普通の展開ばかりですが、一つ一つのエピソードの完成度がすさまじく高いです。展開も予想通りに予想を裏切ってくれたと言うか、こんなもんじゃないだろ〜みたいな期待に見事に答えてくれるような2転3転する展開が目白押しです。
ただの普通の物語で感動できるものというのは、現在丸戸さんを超える人はいないと思います。それぐらいに良かったです。ちょっと展開的に急すぎるな〜と思うところも少しありますが、それをものともしない完成度があります。

テーマ的には人と町とのつながりを示しており、いずれ必ず起こる別れを胸に秘め、まあプロローグ部分で主人公が凛奈に言ったことがそのまま当てはまりますね。いずれ来る悲しい別れから目をそらさないで、前を向いて今を生きて行こうみたいな感じ。とても心が温まります。

大抵のギャルゲーは5人ヒロインがいたとすると、その内シナリオがいいのは1〜2人、それ以外のキャラは普通かそれ以下となっていますか、「こんにゃく」は全てのシナリオが高レベルでもとまっています。つーか学園モノとしては最高峰に値するね。このゲーム!! とにかくやって損は無し、やったことない人はぜひプレイしてみてください。

余談ですが、家族計画とCLANNADを思い出しました。前者は人との、後者は町とのつながりを思い起こさせます。
キャラ 10

どのキャラも名ヒロインであり、名サブキャラでもあります。

沢城凛奈

ツンデレ・・・と見せかけてそうでも無かったですね。微ツンデレです。最初はツンツンしているけど、主人公のバカな懸命な努力によってつぐみ寮の本当の仲間になります。前半部分は完全に凛奈がメインヒロインです。このあたりの主人公のバカな必死な努力と、その後の宴会での凛奈に涙しました。青春っていいですね〜。
殻を割った凛奈は見事な活発おバカキャラになっています。会話では完全にボケキャラに・・・。結構単純です。そして、ものすごくいい笑顔を持っています。なんか最高に可愛いです。たまりません。メインだから最後の方にプレイるのがいいかなぁ〜と思ってたんですが、あの笑顔を見せられて我慢できなくなり、やり直して最初にクリアしたぐらいです。
シナリオ展開は結ばれるまでに2ヤマ、EDまでにさらに1ヤマ、前半と合わせるとかなりヤマがありましたね。結ばれるあたりの展開はさすがです。こちらの予想を見事に裏切ってくれました。さすがにあの展開は普通は予想できません。そして最後の学園祭での劇、あれは普通に泣きました。海己の今までが嘘のような(まあ、これは後で他のシナリオをやってみるとそうでもないかな〜って感じますが・・・)活躍ぶりもあって、感動が最高に高まりました。
活発で、明るくて、ちょっとバカで、実は結構怖がりで泣き虫で、とても笑顔が似合う女の子です。

羽山海己

メイン・・・と見せかけて恒例の裏ヒロインです(奈緒子の可能性もあるけど、普通に考えたらやっぱり海己だと思います)。設定が重い。ある意味パルフェの里伽子並に重いです。いや、そこまではいかないかな? でもあの小さな島では相当きついと思うけど・・・。海己も言っていたけど、奇跡の幼馴染ですね。そもそもあの島に住んでいることが奇跡。
最初はあんまり好きではありませんでした。いつもオドオドしているキャラってどうも苦手なんですよね。すぐに泣くし、ぶっちゃけると結構嫌いでした。序盤の海己しか知らない時点では、どうしても他のヒロイン攻略の終盤に、何かやらかすんじゃないかみたいな黒い想像が広がってしまうんですよ(SHUFFLEの楓というサイコヒロインもいましたし・・・)。
ですが実際にやってみると、どのシナリオでもいつも、どんな時も主人公の味方になってくれて、主人公が1番つらいときに一緒に悩んで、悲しんでくれるものすごくいい娘です。あまりにもいい娘過ぎてこちらが涙してしまうことも数知れず、大好きになりました。
シナリオは丸戸さんの本領発揮といった感じですね。最後にやることを推奨。過去に何かあったんだろうとは思いましたが、想像以上に深刻でした。当人同士の問題ならどんなに遠回りしても必ず解決できるんでしょうけど、これは・・・キツイです。こうなると普段のオドオドしながらもみんなのために、泣き出してしまうことがあっても決して譲らずに尽くす海己が愛おしくてしょうがなくなります。シナリオの最後のみんなに支えながらの大団円には感無量、大泣きしてしまいました。ゲーム通して海己に泣かされた回数はホント多いです。何気ない一言がとても重かったりします。

浅倉奈緒子

究極無敵の猫かぶり。自分の溢れんばかりの黒さを完璧に隠しきっています。つぐみ寮の番長です。カッコいいですねぇ。その容姿、その手腕、その性格、全てがカッコいいです。このゲームの良い場面では大抵彼女の裏工作が働いていたりします。その頭脳明晰完全無欠っぷりで、どのシナリオでも大活躍!! 主に裏工作でですけど・・・それでも沙衣里シナリオの最後の時とかは、思わずMに目覚めそうなくらいにゾクゾクしました。カッコいいどころの騒ぎじゃない!!!
でも肝心の自分のシナリオは正直あんまり好きではありません。どうしてもショコラの香奈子さんを連想してしまうんですよね。性格は正反対ですが、見た目は結構似てるし、シナリオも主観的には全然違いますが、客観的には似ているところもあるし・・・。それでも結ばれて完全にデレ状態であっても、いつもの会長っぽくどこまでもカッコよく、それでいて可愛さも兼ねそろえた奈緒子にはかなりの破壊力がありました。最後のシーンの笑顔とか見ると感動です!!

六条宮穂

どんなに上手いことオチをつけても、全てをつまらなくしてしまうという良い感じに毒されたお嬢様です。
天然じゃなく、かつツンデレでもないお嬢様という、このギャルゲー界でもかなり珍しい存在です。その性格は元がどうだったかは知りませんが、今では会長に続く黒キャラになっています。会話ではボケとツッコミとツッコミ返しの全てを使いこなして、シリアスな場面に自然に笑いを提供して、場を盛り上げてくれます。
シナリオは、まあ予想通りといえば予想通りでした。ただ、予想外だったのは宮の可愛さですね。告白シーンの泣き出してしまったあたりから、もう完璧に宮に夢中でした。いや正確にはもっと前からだったかもしれませんが、とにかく夢中になりました。最初から懐いていた宮でしたが、結ばれてからのそれまで以上の懐きようもすごかったです。バカカップル万歳!!! EDに向けての展開はもう少し盛り上げて、具体的には会長の裏工作があっても良かったんじゃないかとも思いましたが、まあ満足です。それでも欲を言えばエピローグ前の主人公の猛烈アタックも見てみたかったですね。
宮シナリオでの思いっきり甘えてくる宮も大好きですが、その他のシナリオでの主人公の部下的な宮も大好きです。海己シナリオでの何気ない一言と言い、海己や会長についで、他のシナリオでも活躍していました。

藤村静

宮を犬とするなら、静は猫です。時々猫になるし、応援バナーも猫だったし、いつでもどこでもどんな時でも甘えてくる、父性本能をくすぐってやまないヤツです。普段はつかみどころの無い性格でオチ方面を担当しています。そして意外に器用で、やろうと思えばなんでも出来そうです。勉強はともかく、運動神経や家事スキルは抜群!!
シナリオは何ていうか娘の性徴日記(誤字ではない)って感じです。わりかし予想通りに進んだと思います。展開だけは・・・。そう展開は見え見えなんですよ。EDまでの道筋とか完全に見えてたし。ただそれでも泣きました。まず補習をちゃんと受けた静に泣いて、そして最後のあの展開、またしても海己にやらました。いや正確に言うとそうではないんですけど、もらい泣きというか、そもそも最初に泣いていたのはこっちだったというか、とにかく泣きました。この時点でもすでに泣いたんですが、海己シナリオをクリアした今では、もっと泣いてしまうかもしれません。エピローグでのみんなの絶叫には笑わせてもらいましたね。そして嬉しさがものすごくこみ上げました。
あと「約束の日」でのあの何気ない一言にまた涙しそうになったり・・・。

桐島沙衣里

ぐーたら女教師。ここまで女教師の響きが似合わないキャラも珍しいかも? これも半同棲効果ですね。普段は本当にダメ教師ですが、決めてくれるときは決めてくれるはず? たぶん確立半々ぐらいには決めてくれていたと思います。
正直意外なぐらいに可愛かったです。こういう学園モノで教師というのはサブヒロインっぽい印象を抱きがちなんですが、それを跳ね除ける可愛さを持っていました。実は純粋で、一途で、甘えん坊で、駄々っ娘のメインヒロインを務めてもいいくらいの性格を持ったキャラです(あくまでもデレ状態はですけど・・・)。
シナリオではさえちゃんの意外な可愛さをやればやるほど見つけられてホント楽しかったです。甘えてくるしぐさが反則的に可愛い。そして終盤はかなりすごいことになりました。まさかさえちゃんをカッコいいと思う時がくるとは・・・。まあ、最後は全部会長に持ってがれたような気もしましたが・・・それでも燃えました。萌えではなく、燃えです!! でもやっぱりさえちゃんなので最後の最後の最後では萌え萌えになりましたけどね。エピローグでの建部先生の絶叫が大好きです。
あと、エピローグの概要が、「夏休みが来て、発情期に入る沙衣里」というのになっていて、妙にウけました。
それと忘れてはいけないことがもう一つ、「約束の日」のさえちゃんは立派であったと言うことです。

三田村茜

普段はノーテンキ娘っぽいが、実際は超ノーテンキ娘。
そんじょそこらのキャラでは太刀打ちできないくらいのマシンガントークが武器です。「航君航くんわったるく〜〜ん」の3連コンボが耳から離れなくなりました。何時でもどんな時でも明るくやかましい茜は見ているだけで元気になっています。
全キャラクリア後にできる茜ルートは、たぶん「約束の日」の続きなんでしょうけど、そう考えるとかなり悲しくなりますね。でも茜の元気すぎる性格に救われます。癒されるどころの話じゃありませんよ!! 救われます。なんかもう茜最高!!としか言いようが無いシナリオでした。茜最高!! 最後の最後でこのゲーム最大の大オチもあったし!! でも良く考えたらこの茜の底抜けない明るさこそが、茜がどれだけ主人公のことが好きかを表しているんですね。
主人公 星野航 9

何ていうか、カッコ悪いところが最高にカッコいいヤツ。バカで、バカで、どうしようもなくバカだけどカッコいいです。
学生だけあって年相応にへタレてたりするところもありますが、肝心なところでは頼りがいがあってものすごく力強い、落ち込んで悩むこともあるけど、それでも前向きに生きていく本当にカッコいいヤツです。

ちなみに師匠に女にもてるテクの一環として様々な楽器を演奏できるんですが、マジですごいです。
絵 9

相変わらず可愛らしいキャラデザです。もうツボを突きまくり、背景、立ち絵、イベント絵、全てが丁寧に作られています。
その中でも演出面がすごかったです。さりげない日常シーンをよりさりげなくするために、所々に自然な演出がちりばめられています。立ち絵のパターンや、イベント絵の枚数も多いし、文句の付けどころが無いです。
音楽 10

まずBGMですが、田舎っぽい雰囲気が出ていて非常にいい感じです。場面場面にすごく合う音楽でいい仕事しています。曲数も多いですし、主人公が本当にひいている感じの演出も良かったです。
OP曲はKOTOKOさんの「allegretto〜そらときみ〜」ですが、爽快な感じのすごくいい曲です。思わず走りたくなるような感じで、普通に名曲です。挿入歌の「Pieces」も各シナリオで使われた場面が絶妙なので心にすごく残りました。
そしてED曲の「さよならのかわりに」、正直ここまでやられた!と思った歌はAIRの「青空」以来です。Vocalが「つぐみ寮寮生会合唱団」なんですが・・・いやこれ以上はいえません。とにかくすばらしいです。マジ泣きしてしまいました。つーか反則です。よくもまああんなすごい演出を考えたものだ!! やられたよ!! 完膚なきまでにやられたよ!! 「傷つくことを恐れても、逃げる事じゃ変わらない〜」っていう歌詞はこのゲームの全てと言ってもいいですね。泣くよ!! こんなの歌ったら泣くよ!!
エロ 8

純愛系のゲームとしては結構濃いと思います。数も多いし、テキストとかはそれほどエロいわけではないんですが、キャラの良さと絵が好みすぎるおかげで興奮しました。
その他

他のゲームが嫌になるくらいシステムがいいです。ゲーム環境抜群
あとシーン説明の概要にかなり面白いのが混じっています。見て下さい。
最後に、事前のミニドラマやドラマCDなど、このゲームへの力の入れようが良くわかります。
総合 96

パルフェという名作中の名作の後でしたので、期待と不安がかなりでかかったんですが、要らぬ心配だったようです。
完成度としてはパルフェには及ばなかったものの、感動が大きいのはこちらでしょうね。やっぱり学園モノはいいなぁ。

こういう作品があるからやめられないんですよねぇ。



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