散りゆくものへの子守唄
総合 |
シナリオ |
キャラ |
絵 |
音楽 |
エロ |
主人公 |
ゲーム性 |
NO.1キャラ |
84 |
9 |
9 |
9 |
8 |
4 |
7 |
7 |
エルルゥ |
シナリオ 9
前半は簡単に言うと「悪い領主を倒せー」と言ったもの。中盤以降は国と国との戦いを描いたもの。
後半は主人公の出生やこのケモノミミだらけの世界の謎についてのお話というか解説が繰り広げられます。
まず冒頭ですが、記憶喪失である主人公と村人たちの交流がほのぼのとしていて、非常に心温まるものになっており、
また、村人たちの普段の生活がよく描かれているので違和感無くゲームの中に入っていけます。主人公であるハクオロの価値観が自分達と近いというのもありがたいです。
それからもほのぼのとした雰囲気で進んでいくのですがだんだんときな臭くなっていき、とうとう戦争に突入していきます。
この戦争ですが人の生き死にが結構リアルに描かれており、また独特の世界の様々な国々、民族、宗教の設定は伝えていく構成がすばらしいので戦争のシーンの緊張感や様々な感情の動きがよく伝わります。
もちろん戦争中でも緊張感があふれるシーンばかりではなく、その間には魅力あふれるキャラクターによるコミカルな会話シーンもたくさんあり、楽しませてくれます。
山場も多く、特にクーヤやゲンジマルとのイベントは必見です。萌えあり泣きありたまんないです。
ここまでは非常に良かったんですが、後半になるにつれてだんだんよくわからない設定が増えてきます。
最後の主人公の正体や世界の謎については設定が複雑の上、説明不足なので何がなんだかわからないところだらけです。展開も急すぎるので、ラストあたりはかなり置いてけぼりを食らいます。
このよくわからない部分をもう少しわかりやすく、もう少し簡単にしてくれたらと残念で仕方ありません。
しかし、エンディングがすっきりと終わっているので終わった後の満足感は高いです。なんとなく温かい気分になれました。エルルゥとアルルゥの姉妹は最高の姉妹です。
ああ、すっかり忘れてましたがこのゲームのシナリオは完全の一本道で、分岐は全くありません。
戦闘によって少しくらい分岐するようにして欲しかったと思うのは自分だけでは無いでしょう。
キャラ 9
このゲームのキャラの最大の特徴は主人公を除いて全員ケモノミミと言うことです。
老若男女全てケモノミミ、そのせいで違和感が全く感じません。あんまりケモノミミ萌え〜とかいう気分にもなりません。
エルルゥ
かなりのヤキモチ焼きです。そのヤキモチぶりはところかまわず出されます。重要な会話中でもお構いなし、次から次へとよってくる女たちに囲まれるハクオロ相手に姐さんヤキモチ全開です。かなり萌えます。ニヤケが止まりません。
このエルルゥですがメインヒロインの割りに扱いがそれほどよく無い気もします。前半はメインヒロインとして十分すぎるほど、会話シーンやシリアスなシーンで大活躍するんですが、中盤以降の国レベルの戦争になってくると、ヤキモチと姐さん女房っぷり以外あまり印象がありません。Hシーンも結構適当っぽかったし。シナリオの中核を担うキャラであり、主人公の過去とも浅からぬ関係があります。まあ、その関係についてはほとんどわかりませんでしたけど・・・。
戦闘では唯一の回復キャラなので、エルルゥの生死にパーティーの生死がかかっています。戦闘中はエルルゥを守るように戦わなくてはいけません。エルルゥのHP=パーティーのHPだったりします。
なんだかんだいってますが、自分はエルルゥ大好きです。こういう健気だけど元気な子っていうのはいいです。
アルルゥ
まさかまさか娘属性を持つキャラがいるとは・・・。なるほど確かに噂通りの破壊力だ・・・。
「おとーさん」といいながらじゃれてくる様子は最高に可愛いです。まさかこんなに萌えるとは・・・。萌えすぎてアブナイ世界に足を突っ込みそうになりました。いやアルルゥがいるなら喜んで突っ込みましょう。
このアルルゥとエルルゥの姉妹はどこまで萌えさせてくれるんでしょうか?にやけが止まらなくてマジで困ったんですけど・・・。Hシーンは無いです。まあ、無くて正解でしょう。あったらいくらなんでもヒクでしょうし。
戦闘ではムックルという一言で言えばでっかい虎に乗って戦うんですが、このムックルの戦闘シーンがかなりかっこいいです。味方がピンチの時に颯爽と現れるという王道過ぎる初登場シーンからもうムックルに夢中、親は獰猛だったのに子供であるムックルはかなり人懐っこい感じに育ちました。アルルゥとエルルゥのアメとムチがうまくいったんでょう。随一の防御力を持つので常に最前線で活躍できます。会話シーンでも戦闘中でも一番の活躍を見せてくれたキャラでした。
ユズハ
病弱な娘。ヒロインの中で唯一の非戦闘員なので非常に目立たないです。
シナリオ中もしかして死ぬのかな〜と思っていたらEDまで死なずに生存。かと思ったらEDで死にました。
序盤はまだ存在感があるのですが、だんだんと無くなって行き、ラストバトルあたりでは完璧になくなります。
自分はEDを見てそういえばユズハがいたな〜と、素でそれまで存在を忘れてました。
あのラストの子供も生まれてきた意味がいまいち薄いですし、正真正銘の幸薄キャラになっています。
1番印象に残ったのがオボロはボロボロシーンでした。
カミュ
見た目は一番好みでした。あと性格も・・・。黒い翼とナイスバディ、子供っぽい性格が魅力的です。
シナリオ上でもかなり重要な役割についているはずなんですが、その正体は主人公以上に謎のままでした。。
血を吸うこととか明確な説明の無いままそのままになってしまったエピソードが多すぎです。
アルルゥとの会話シーンとかはほのぼのしていて非常に良かったんですが、この謎のせいでカミュ自体の良さが減っていること間違いなしです。まあ、それでもアルルゥ、ユズハとのトリオは色々と萌えさせてもらいましたが。
戦闘でも魔法はいまいち使えないし、そのうえ途中でいなくなるので、簡単に言うと役立たずです。まあ同じ魔法使いのウルトリィよりはまだ使えますが・・・。どっちもどっちですかね〜。まあカミュは、黒い翼が萌え〜ということで・・・。
ウルトリィ
ヒロイン中唯一ユズハとタメを張れる影の薄さが特徴的です。会話シーンではもちろんのこと戦闘でも役立たずなので活躍させようにもどうしようもありません。個別の子育てエピソードもいまいちでした。子供が欲しくなった→Hシーンっていう流れはちょっと・・・。エルルゥに怒られますよ? 初登場時もなんだか過ごそうな肩書きで現れたわりに何の役にもたってなかったような・・・。よく考えるとユズハより影が薄かったかもしれません。
カルラ
とりあえずカルラには常に髪をおろした状態でいてもらいたいです。誰ですかあれ?あの超絶美人は誰なんですか?
彼女のエピソードもいまいちよく分かりませんでした。何であそこまで弟に会うのを拒んでいたのか。そのあたりがいまいち伝わりきれてませんでした。性格はさばさばとしているが本性を隠しているといういわゆる明るいけど影のあるタイプ。
トウカとの掛け合いは最高に面白いです。ちょっとトウカがかわいそうだけど、からかいたくなるカルラの気持ちは非常によく分かります。 エピローグでの2人はホント良いコンビです。面白すぎます。
戦闘では攻撃力はピカ一だけど、すばやさがいまいちなので中々出番が回ってこないのが欠点です。
トウカ
武に秀でた民族として登場するのでかなりの強さと思われたんですが、仲間になってみるとそこまで強くはありません。SLGゲームの常識ですね。性格は真面目でいわゆる武士ですが、実態は最高のギャグキャラになっています。
どうにも抜けてるところがあり、まじめに行動しようとしてもいつの間にか笑いの的になっています。
この笑いは初登場時からEDまで一貫しており、まさにズッコケキャラと言う呼称がとても似合います。このゲームのギャグ部分を全て担っているといってもいいくらいの活躍です。散々騙されて、期待していた子供も授かれないで、それでもまだ騙されて・・・。まあ、からかいたくなる気持ちも非常によく分かります。(二度目)
戦闘ではバランス型。全然育てなくてもとりあえず前線に立てます。
クーヤ
夜の秘密の逢引シーン。芽生える恋心。敵と見方で争わなくてはいけない運命。
数々の伏線から最後には絶対にクーヤを戦いの運命から救い出して主人公と結ばれること間違いなしだと思っていたのだが・・・。まさかあんな悲劇に終わるとは・・・。ゲンジマルも報われえませんよ。
あの夜の逢引の時の凛々しいクーヤが見れなくなるなんてゲーム中一番悲しかったです。
設定にしろ、性格、容姿にしろ間違いなくメインヒロインの器だったのに・・・。エルルゥと争奪戦とかして欲しかったです。
サクヤ
クーヤの付き人でゲンジマルの孫娘。あのちょっとドジっ子の入った性格、可愛らしい容姿、正に本命は後からやってくるといった雰囲気だったのですが、Hシーンはありません。ほんとメチャメチャ期待してたのに・・・。あの展開でなんでHシーンが無いのか理解に狂います。クーヤと一緒に3Pとか期待していたのに・・・。エピソードもほとんど無かったし、もう少しイベントが多かったら間違いなくエルルゥを抜いてNo.1になったキャラだったのに・・・残念です。
オボロ
初登場では強そうだったのにあっと言う間にパシリにされてしまった惨めな男。女より男に持てそうなタイプ(事実ドリィ・グラァから・・・)。自分もオボロ大好きです。その3枚目っぷりに涙を誘います。かっこいい時はかなりかっこいいんですが、やはり情けない時のほうがより印象に残っています。いわばヤムチャ。後からどんどん情けなくなる。まさにヤムチャ!!
初期能力も結構低く最初は油断するとすぐ死ぬんですが、非常に成長しやすいので使えば使うほど強くなっていきます。ここら辺はヤムチャとは雲泥の差です。事実最終ステージの時点では一番攻撃力がありました(守備は紙切れ同然だったけど・・・)。 がんばれオボロ!!負けるなボロボロ!!!(ボロボロってやっぱり合ってるなぁ。ユズハナイス!!)
ドリィ・グラァ
男!!!と言うわけで実は男だったドリィ・グラァです。最初女の子だと思ってました・・・。
このドリィ・グラァはオボロ命!!若様命!!の双子の弓使いです。脇役のクセに異様にキャラが立っています。
まあ、その理由は女の子っぽい容姿もさることながら、それ以上にオボロとの801疑惑にあるのですが・・・(オボロはその気はなさそうだけど・・・)。 もしかしてもうやっちゃってるんじゃないか?というイベントもありました。
ベナウィ
参謀。戦闘以外ではしっかりとハクオロを支えます。この人がいなかったら国の政治が成り立たないでしょう。こういう片腕的な参謀キャラは大好きなので気に入っています。見た目かっこいいし強そうだから強いかと思ってたけど、仲間になったとたんに弱くなりました。あのオボロを圧倒した強さはどこにいったんでしょうか?完璧にオボロのほうが強くなります。
貴重な槍使いなんで使おうと思えば使えるけど、中々成長しにくいのでいつの間にか戦闘メンバーから消えます。やはり成長が早いオボロ以外の男キャラは出撃できるステージがやや少ないので、どうしても成長できません。余談ですが、最終ステージ時の強制出動の時に今まで少しも成長させなかった割には善戦してたのが印象的でした。
ゲンジマル
Tohaert2では犬に転生して出てきます(嘘、でもなんとなく似てたりするから本当かも?)。
本当に短期間しか戦闘に加わってくれないのがネックなんですが、メチャクチャ強いです。何で最後まで参戦してくれないのと絶叫してしまうほどに。でもその強さに溺れて突っ込みすぎて死亡ということが良くありました。
性格(見た目も)は絵に描いたような武人です。クーヤを主人として最後まで武士としての使命を果たそうとする姿、初登場時から最後までかっこよかったです。
主人公 ハクオロ 7
仮面以外は意外と個性が無い主人公、Hシーンのほとんどが雰囲気に流されて〜というところからも分かります。
途中ピンチになると変身するとかいろいろあるのですが、そこらへんの謎は全くと言っていいほど分かりませんでした。
そういえば最後の最後でラスボスになってしまうとは・・・。意外な展開にびっくりです。
戦闘でも死亡=ゲームオーバーのため、前衛でも後衛でもない中途半端な位置で戦うことになるのがネックです。
絵 9
塗りのレベルはかなり高いです。作品の雰囲気がよく出るすばらしい出来だと思います。塗りは濃いけど淡い雰囲気といった感じ。イベント絵もすばらしい構成ばかりで、立ち絵もバリエーション豊かです。
戦闘シーンのミニキャラにも力を入れており、長時間プレイしても飽きが来ないようになっています。
音楽 8
シナリオがシナリオなので、和風の雰囲気を持つ音楽が多いです。
歌は2曲あるんですが、どちらもほとんど印象に残りませんでした。
というか歌だけでなく音楽自体が印象に残ってません。ここのレベルが高かったことは覚えているのですが・・・。
できればボイス付で作って欲しかったっていうのはかなりあります。
エロ 4
メチャクチャ薄いです。無くてもあってもあまり影響ありません。
ああ、でもクーヤとサクヤのHは欲しかった。なんとなく。
ゲーム性 7
FEのようなミニキャラを操って戦うシミュレーションRPGです。
はっきり言って簡単です。普通に戦ったら苦戦することはめったに無いでしょう。キャラによっては出撃する機会が少なかったり、成長させるのが困難だったりして使えるキャラが限られているのが残念です。
とりあえずアルルゥ、トウカ、カルラあたりは文句無く使えて、オボロ、ドリィは成長させれば非常に使えるキャラ、他に回復役のエルルゥを加えてそれだけでも割と何とかなります。目新しいシステムとして連撃があるのですが、連撃のために技を成長させるより攻撃や防御を成長させたほうが強くなるという現実があります。
ただ、戦闘しているキャラは非常に可愛く、かっこいいので見ていて飽きるということは全くありませんでした。
総合 84
さすがLeafと言える素晴らしい出来になっています。シナリオ、音楽、絵、ゲーム性、全てにおいて高レベルでまとまっています。古いゲームですが、十分楽しめます。これで声がつけば更に良い出来になっていたかと思うと残念です。
バトル部分はちょっと簡単すぎる気もしますが、シナリオ重視ゲームなのでこれくらい簡単でもいいかなという気持ちもあります。でももう少し歯ごたえが合った方が・・・。
プレイ時間もそんなに多くありません。自分は夢中になってあっという間に終わらせてしまいました。
時間を忘れて夢中になれる良いゲームです。
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