そして明日の世界より――


残された時間は3ヶ月。俺たちに出来る事は――



総合 シナリオ キャラ 音楽 エロ 主人公 ゲーム性 NO.1キャラ
94 10 9 9 10 6 8 樹青葉

シナリオ 10

名作です。特にノーマルEND→Afterの流れは神です。久しぶりに泣きまくりました。

シナリオは共通の後に各ヒロインのルートと誰とも結ばれないノーマルルート、全てを終えるとAfterとなっています。
まず共通はそれなりに長いです。1日1日の濃度が高いので、星が落ちてきて物語が動きまくる中盤〜終盤はともかく、序盤は結構ダレます。自分も最初、早く星落ちてこないかなぁとか思ってました。基本的にどのルートでも星が落ちてきた後、11日くらいまでは共通となっていて、それまで起こることは、大まかなことは同じとなっていますね。星が落ちてくるのが分かってからは、序盤が嘘のように物語が急速に進行していきます。基本的に思いつくような出来事は大体起こりましたね。再プレイのたびの姉ちゃんの「明日の化学は大丈夫そう」発言で鬱になったりします。

日常会話は笑いとかは少ないですが、ちょっとしたシーンもかなり味わい深かったりします。たとえば最初の数日は正直退屈なところもありますが、後半にその大切さに気づいたりって感じですね。これに関しては、シナリオが良いというのもありますが、それに加えて神レベルの音楽と演出があると言うのが大きいです。
萌えシーンも結構入っているので、キャラが合えば萌えて泣けて感動してとすごいことになるでしょう。

個別ルートでは、すでに開始時にどのヒロインともちょっとした切っ掛けで結ばれても不思議じゃない状況の中、星が落ちてくることでその切っ掛けとなって、色々あって結ばれるって感じです。内容自体は特別なものはなく、結構ありきたりになっています。青葉ルートはちょっと違いますが、生きるか死ぬかの中での、幸せな日常がテーマですかね? 序盤と同じく途中でちょっとダレたりしますが、どのルートも後味よくまとまっています。

ヒロインたちとの個別ルート以外にもノーマルルート、簡単に言うと誰とも特定の間柄にならないルートがあります。まあ、雰囲気的にはハーレムルートって感じでもありますけどね。このルートは他のヒロインたちをクリアした後にやった方がいいです。つーかやるべきですね。次のAfterとのつなぎって言うのもありますが、一番感動できて、一番良い気分になるのがこのルートです。主人公のみんなへの告白?とか、じいちゃんや竜の大活躍とかすごく良かったですし、何よりラストの授業(参観?)の主人公はこのゲームのラストにふさわしいものになっています。

全てクリアした後に出てくるAfterですが、これはやられました。始めてすぐに先は読めるんですが、それでもかなりの衝撃が来ました。つーか泣きました。もう胸がいっぱいで体中が震えるくらいの衝撃と感動でしたよ!!!

このゲームをやっていると、「綺麗な物語」という言葉が漠然と浮かんできます。正直自分でもよく分かっていないので上手く説明は出来ませんが、これは背景が綺麗だとか、音楽が綺麗だとか、キャラの生き方が綺麗だとか色々考えられるんですが、それらを全てひっくるめて、「綺麗な物語」だという感想になりました。

あと名台詞多いです。最初はプレイ中に気に入った台詞をメモってたんですが、あまりにも多すぎてやめました。
キャラ 9

ヒロインの魅力ももちろんのこと、脇役の魅力がすさまじいです。特にじいちゃんはBEST OF じいちゃん決定です。

日向夕陽

初っ端は可愛いけど、段々うざくなっていって、もうそろそろ嫌だなぁと思うあたりで可愛いところを見せてくれるきわどいバランスのキャラです。最初はあまりの依存っぷりにイラつくこともありましたが、一人クリアしたあたりで慣れました。
シナリオは終始夕陽に振り回されている感じですが、終盤の主人公が夕陽に抱いている本当の気持ちに気づくシーンがものすごく感動的でした。じいちゃんが主人公を諭すシーンとか大好きですね。その後の主人公が夕陽を抱きしめるシーンも含めて泣いちゃいました。途中でちょっと間延びしている感じも否めませんが、夕陽の主人公が好きで好きで生きていて欲しいという気持ちが良く描かれている良いシナリオでした。最終的に夕陽のことが大好きになりましたね。

日向朝陽

とりあえずあの髪型に突っ込みたいですね。メガネで三つ編みで運動音痴で先生でお姉さんでと、旧時代のヒロインって感じです。何だかやたら運痴シーンが印象に残ってますね。決めるときは決めるてくれるんですけどねぇ。
シナリオは正直微妙。姉ちゃんがあまりにも主人公に依存しすぎて、2人とも他のシナリオとは別人のようでした。夕陽が青葉や御波はいいけど、お姉ちゃんとだけはダメって言うのも分かります。姉ちゃんは朝陽ルートとかノーマルルートとか他のルートで主人公を支える姿の方がいいなぁ。甘えてくるシーンは確かに可愛いけど・・・。

樹青葉

ポニーテールが特徴の活発少女。シナリオが一番良かったのが印象的です。最初はよくいる活発系の幼馴染かなぁと思ってたんですが、プレイし終わると印象がかなり変わりましたね。すさまじく重くて大きい思いを秘めた女の子です。
シナリオは一番良かったです。終盤の主人公壊れる→青葉後悔するの流れはホントすごい。胸がいっぱいになりました。終末の中での各キャラの心の揺れ具合が痛いくらいに分かります。「貴方があたしを必要としてくれるだなんて、信じられなかったから!!」のくだりが大好きです。そしてその後の結ばれた時の青葉の可愛さがやばい。すごくやばい。可愛すぎる。朝起こしにきたシーンとか最高です。できればもっとラブラブシーン欲しかったですね。

水守御波

青葉が一番シナリオが良かったキャラなら、御波は一番萌えたキャラです。見て目も設定も病弱で、いつも少し離れたところにいますが、主人公が引っ張り込んでからは体は弱いながらもどんどん活発になっていきました。この時の主人公がかっこいいんですよ。そして御波の"葦野さんが引き込んでくれたんですよ"の発言でニヤニヤしまくりでした。主人公は気づきませんが(鈍感がっ!!)、主人公への好意を隠そうとしないで積極的になっていきます。超可愛いです。ラブラブシーンの萌え度数は並みの萌えゲーより遥かに上です。あと御波はサブキャラでの活躍も目立ってますねぇ。メンバーの中では潤滑油みたいな存在です。青葉シナリオでは空気読みまくりでかなり好感度があがりました。
シナリオは結構まったりしてます。ラストの修学旅行では感動させられましたけどね。一番生と死について語っています。

竜・海・陽

親達3人です。まず父親の竜さんは、まさに男って感じの人です。普段の口数少ないながらも主人公のことをよく分かってくれてますし、何よりノーマルでの灯台の上での"お前は俺の息子だからな"のシーンでのあまりのかっこよさと偉大さに感動しました。母親の海さんは、竜さんと比べると印象的なシーンは少ないんですが、母親をきちんと感じられるキャラになっています。日向姉妹の父親である陽さんも2人をすごく愛していると言うことが良く分かる良い人です。

じいちゃん

本名八島宗一郎。サングラスとアロハシャツと麦藁帽がとっても似合うおじいさんです。このゲームのキーパーソンで最強のキャラ。他のルートでも終盤主人公が悩んでいる時に名言を言ってくれるナイスキャラなんですが、ノーマルルートでさらなる真価を発揮します。もうかっこよすぎです。惚れます。ホントかっこいいです。BEST OF じいちゃんです!!

その他

ちょい役キャラも十分な役割があります。化学の大田先生とか、ノーマルでの果物ナイフとかまさにそんな感じです。
主人公 葦野昴 8

天然で敏感で鈍感な主人公です。ヒロインたちが悩んでたりすると天然で解決するんですが、恋愛ごとが絡むととたんに鈍感になったりします。精神的に強い部分と弱い部分の差が大きいですね。まあ、この世界感だと完全無欠の強い主人公よりは、見て目立派だけど弱い部分もたくさん持っているこの主人公のような感じがあってるんでしょうけどね。人間らしくて自分は大好きですけど、ちょっと鈍感すぎかなぁって気がします。プレイ中ちょっとイラつくこともありました。
ノーマルでのみんな大好きなんだ発言とか、Afterでの言葉とか良い場面でものすごく良く締めてくれる良い主人公です。
絵 9

最初はあんまり好みではなかったんですが、どんどん好きになりました。立ち絵のバリエーションは多いですし、イベント絵も枚数はちょっと少ない気がしますが、質はかなりいいですし、抑えるところはきちんと抑えています。
この絵の特徴として、立ち絵と背景とがマッチしていると言うことが挙げられますね。かなり自然です。それと背景の綺麗さに注目、空の色とか見てるだけで泣きそうになってきます。
音楽 10

かなりレベル高いです。良いシナリオには良い音楽が必要不可欠だということが良く分かる出来になってます。
歌はOP曲に各ヒロインのED曲にノーマルED、AfterEDで全7曲。どれも良い曲なんですが、あんまり印象に残っている歌ありません。ただ、「Amazing Grace」だけは流れるタイミングが神がかっていたんで、かなり印象に残っています。
そしてBGMですが、こちらはマジで神クラスです。個人的に2007年のゲームでは歌はリトバスですが、BGMではこのゲームって感じです。一つ一つの曲がゲームに良く合っていることに加え、流れる場面が素晴らしい!! 物語を2倍3倍に盛り上げてくれます。「Happiness」、「はてなき想い」あたりがお気に入りですね。聞いてるだけで癒されます。
エロ 6

意外とエロくてビックリしました。回数も一人当たり2〜3回ありますし、尺も質もまあまあと言った感じです。ただ、この物語でこの絵で興奮するかという問題もありますが、青葉の初Hの導入部分とかはかなりエロく感じました。
総合 94

2007年で遅れてきた名作。こういうガチンコのシナリオ系ゲームをやったのは久しぶりです。
結構人を選びますし、合わない人にはとことん合わなそうですが、自分は大好きです。

おすすめプレイ順は最初に一番好きなキャラ→他のキャラ→ノーマル→Afterが一番ですかね。
基本的にラストのノーマル→After以外は特におすすめはありませんが、星が落ちることが 分かってからの色々な騒動はやはり初回プレイが一番衝撃を受けるので、好きなキャラは最初にクリアした方がいいです。

万人受けは絶対にしませんですし、思い返してみて微妙だと思う点もありますが、全てプレイし終わった時の衝撃と感動がすさまじかったので、超久しぶりに(こんにゃく以来)のシナリオ10点とさせてもらいました。こういうゲームがあるからエロゲーはやめられない。



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