Rewrite


―――書き換えることが出来るだろうか。彼女の、その運命を。



総合 シナリオ キャラ 音楽 エロ 主人公 ゲーム性 NO.1キャラ
89 9 9 8 10 8 千里朱音

シナリオ 9

シナリオ・世界観設定にCROSS†CHANNELや最果てのイマを作った田中ロミオということで、一体どんな化学反応を起こすのか、期待も不安も大きかったゲームですが、実際プレイしてみるとめちかなり夢中になれました。個別シナリオの出来の良さ、真ルートの熱さ、キャラの良さ、会話の面白さ、どれをとっても大作と呼ぶにふさわしい出来だったと思います。

ストーリーは世界観設定ロミオらしい終末系の物語で、今までのkey作品のような、日常生活にちょっと不思議が入っているというものではなく、最初から超常現象が入り混じった世界になってます。どのルートでも学生らしい日常生活が、ある事件をきっかけにして崩壊、仲間たちとの決裂、主人公は以前の日常を取り戻す為にそれぞれのヒロインたちを追いかけ、ガイアとガーディアンという組織と、世界を崩壊させる「鍵」を争う戦いに巻き込まれます。人と人が起こす世界の崩壊がテーマになっており、中盤から終盤に向けてだんだんと暗い雰囲気になっていきます。その為、従来のKEY作品と違い、ボロ泣きできるような感動要素は無かったんですが、胸の奥にズシンと来る衝撃や感動、そして震えるような燃え要素が盛りだくさんでした。特に全キャラクリア後にプレイできるmoon→Terraはかなり熱かったですねぇ。

このゲームで特筆すべきなのは個別シナリオの出来の良さ。前作のリトバスは個別ルートが全て真エンドへのおまけみたいな感じで、ぶっちゃけ出来が悪かったんですが、今作ではどのシナリオも起承転結がきちんとしており、それぞれの完成度がかなり高く、プレイし応えがありましたね。しめるところはきちんとしめ、燃えるところは燃えさせてくれました。設定が設定なので完全無欠のハッピーエンドというものは無いですが、プレイ後の満足感と充実感は高かったです。

個別シナリオだけでなく、真エンドもかなり面白かったです。まあ、真エンドというか篝ルートと言った方が正しいんですが。主人公が学生をするまでの流れ、意味ありげに出てきたサブキャラや、組織の謎と背景等、今まで分からなかった複線が次々と判明され、読み応え抜群。主人公も最初は後ろ向きで暗い性格なんですが、最終的にはかなり熱くなります。つらいことを知ったからこそ、それを止める為に戦う漢の熱さがありましたねぇ。世界の為、自分の為、篝の為に、文字通り自らを犠牲にして戦う姿に感動しました。特にTerraの終盤で石の町の住人に向けて「俺たちはまだ生きることを諦めちゃいないんだ!」と叫ぶシーンはあまりの熱さに涙が出そうになりました。ただ、よくある全ヒロインが揃って大活躍といいう展開は無く、moonはヒロイン総出演だが、最終品シナリオTerraでは主人公とサブキャラ、篝が大活躍で、ヒロインたちはほとんど出てきませんので、そのあたり期待しすぎるとがっかりするかもしれません。

日常会話はギャグ多めで、面白いですし笑えます。個性的な友達とバカやっている感じが良いですね。主人公と吉野との会話が大好きです。個別に入ると日常生活の崩壊共に笑いは減りますが、息もつかせない怒涛の展開になりますし(中だるみが一切無いとはいいませんけど)、全クリ後の真ルートも読み応えがあって、プレイしてすごく楽しめました
キャラ 9

神戸小鳥

癒し系ヒロイン。おばさんくさい口調がすげーツボに入りました。何かもう存在そのものに癒されるんですよねぇ。あの満面の笑顔は見ているだけで幸せになれる気がします。主人公との適度の距離感も良かったです(まあ、これはシナリオをクリアすると印象変わりますけど)。シナリオは小鳥がどこの勢力にも入っていないこともあり、敵対組織との戦闘より、小鳥本人に重点が置かれます。小鳥の現在の状況はもう悲惨すぎて驚きます。終盤の逃避行は主人公への想い、両親との別れ、破滅への誘い等、小鳥にとってつらいことばかりで、特に終盤に今まで抑えていたものを抑えきれなくて叫びだした時は切なすぎて見てられなかったです。最後の小鳥が自分の力を振り絞って主人公を助けようとするシーンは感動しました。ただ、結局敵の正体や目的は一切分からないので、イマイチ地味に終わってしまった感はぬぐえなかったです。そして小鳥のもう一つの見せ場はTerraにあります。捻くれた子供小鳥はいい味出してましたね。ほぼツンしかなかったのですが、後々の事を考えると、心の中ではかなりデレてたんあだろうなぁと考えるとものすごく萌えます。

鳳ちはや

アホの娘可愛いです。ビックリしたり慌てた時のアホの娘フェイスがすごく可愛いし、照れて真っ赤になった顔は萌えます。主人公にからかわれてツンツンしてても、あきらかにデレ入ってる様子がいい感じですねぇ。そんな訳で可愛いは可愛いんですが、シナリオではちはやの可愛さを遥かに凌駕する勢いで咲夜のかっこよさが目立ちます。最初は咲夜とかちはやにくっついているただのサブキャラだと思っていたんですが、終盤ではその印象が完全に逆転しました。シナリオはガイア側なんですが、ちはやがあまり物事を考えていないこともあり、小難しいことを抜きにした単純でわかりやすい燃え物語になっていて、特に中盤から終盤にかけての連続バトルはかなり燃えましたね。咲夜がホントカッコよすぎて痺れました。ぎるぱににも泣かされそうになりましたし、ちはやは・・・目立たなくなりますが可愛くて良い娘ですよ?

千里朱音

シナリオ・キャラともに一押しです。学園の魔女で怪しげな呪文(黄金色魔法)を使う黒い魔女。主人公に対してもその常識破りの行動力をつかって色々からかったりします。ただ、受けには弱く、さらにはしっかりしているようで甘い部分もあるので、墓穴掘って冷や汗流しながら取り繕うとする様子が可愛らしくて魅力的。おっぱいイベントは、全クリ後に見れるおっぱいは世界を救うルートも含めて必見です。恋人になるのも早く、描写はあまり多くはないですが、お互いに恋人としての年月を積み重ねている様子が見れるのには大興奮でした。シナリオはガイア思想にどっぷりつかっているので、終末思想が強く、さらにガイア内部の派閥争いが主になっている為、嫌な雰囲気が付きまといます。終盤からラストにかけてのシナリオはすばらしいの一言。止めることができなかった破滅、助け出した先での生活、ラストにはしっかりと朱音の罪の償いについて曖昧に終わらせず、しっかりと最後まで書ききられているのは正直すごいと思いました。

中津静流

無口だがリアクション芸が豊富なふーきいん。萌え度では全キャラ1番。主人公との会話はほのぼのとしていて非常に癒されます。主人公への好意が言葉に出さなくてもリアクションに出まくっている様子が可愛すぎて萌え転がりますね。シナリオはキャラの濃さに反していまいち地味です。ラストの一枚絵ばかりが印象に残って、途中経過はいまいち印象に残ってないです。割とほのぼの進んでましたしねぇ。あと、全クリして江坂さんや西九条の事を考えるともう普通に感想書けないっていうのはあります。とりあえずルチアの見事なフェードアウトには驚かざるを得なかったです。ラストの展開はKEYらしといえばKEYらしいENDですかねぇ。主人公と静流は再開して手を取り合うことができたと信じたいです。

此花ルチア

共通では他のメンバーと比べると取っつきにくいし、出番は少ないしでいまいちな感じが拭えませんでしたが、個別入るとすごく女の子女の子していて可愛かったです。たぶんヒロインとのラブラブが一番多いのがこのルートですね。シナリオは一言で言うと、アサヒハルカのなく頃にって感じ? 世間的な評判はあまり良くないみたいですが、個人的には普通に面白かったと思います。ライターの癖ですぎ&主人公熱血過ぎ(そんなキャラじゃないだろ)っていうのは感じましたけどね。あと、印象が薄い。Terraでも出番がほぼ皆無でしたし、同じく出番なしだったちはやは共通で活躍していますし・・・。


魔法の第三惑精クリーミィ☆かがりん。ぶっちゃけ出番少ない+シナリオによってかなり性格違うので感想書きづらい。あと、最後にプレイしたおっばいルートでの印象が強烈過ぎたというのもあります。ぶっちゃけノームネーですに大笑いしました。他ではMOONでの最初は全然意思疎通ができていなかったのを、少しづつ意思疎通ができて、最終的には主人公と深い絆で結ばれるようになる様子は良かったです。篝の言動が何か可愛らしくてツボに入りました。

吉野晴彦

ギャグ要因であり燃え要因でもある、一言で言うとYOSHINO最高なキャラ。三枚目という言葉がピッタリです。普段は厨二言動満載でイタイところもあり、主人公の神がかった吉野弄りにより最高の笑いが生み出されます。それでいて、基本的にはかなり燃える心を持っているので、時々核心を突くようなことを言ってきてドキっとさせられるところもいい感じです。日常の象徴みたいなキャラなので、シナリオ終盤に出てくると、失われた日常が思い出されて何かめちゃくちゃ嬉しくなってきます。特に朱音シナリオの終盤に出てきたときは涙が出そうになるくらい嬉しかったです。

鳳咲夜

最初の印象は正直最悪で、ちはやのおまけとしか考えていなかったんですが、ちはやシナリオでのツンデレっぷりと、壮絶な生き様まには、もうかっこいいとしか言いようがないです。何かもう反則的なまでにかっこいいです。これだけ後姿がかっこいいと感じたキャラはFateのアーチャーぐらいしか思いつきません。主人公との関係や立ち位置もどころとなく似てますしね。主人公にとっては、ゲーム中どのヒロインよりも重要な位置に立っているキャラであり、主人公に対して憎まれ口を叩きながらも、ちはやの為、主人公の為に力を託す姿には胸が震えました。

井上

序盤のキーキャラ。出番多さ、物語における重要度から考えると、立ち絵がないのがおかしいくらいです。初登場時はただのお騒がせキャラだと思いましたが、小鳥シナリオでわかるその飽くなき探求心には脱帽ものでした。

西九条

先生だけど実はガーディアンの能力者かと思いきやさらに実はというキャラ。シナリオに出てきてないところでの活躍がすごくありそうです。特にTerraではみんなのお母さん?としてかなり苦労してそうでお疲れ様です。
主人公 天王寺瑚太朗 8

普段はお茶らけていてばかりですが、失われた仲間と平穏を取り戻すためにはどこまでも強くなれる熱い男です。行動が裏目に出ることが多かったりするのが難点ですが、ヒロインたちを守るために、自らを文字通り犠牲にして戦う姿はかっこよいと思いました。特にterraルートでは最初は根暗で頼りないんですが、戦いを通じて成長し、立った1人で滅びを回避し、未来をつかみ取る為に奮闘する様子に痺れます。シナリオ欄でも書きましたが、個人的に一番熱かったのはTerraで石の町の住人に向けて「まだ生きることを諦めちゃいないんだ!」と叫ぶシーンは熱すぎて泣けます。
絵 8

キャラデザは普通に可愛いと思います。若干構図というか、変に違和感を感じる絵もありましたが・・・。イベント絵と背景は塗りのレベルの高さが目立ちますね。ムービーもセカンドOPとかすごく動いていてカッコ良かったです。
音楽 10

流石のクオリティと言わざる得ないです。歌、BGMともに良曲揃い。歌はまずOP曲の「Philosophyz」がかなり気に入りました。セカンドOPも熱くて燃える良曲ですし、挿入歌、ED曲ともに聞けば聞いた分だけ味が出る良曲ばかりです。特にED曲の「CANOE」はkeyのED曲らしく、シナリオのラストを締めくくるにふさわしい名曲です。BGMで個人的に好きなのはタイトルでも流れる「旅」、OP曲のBGMverの「Philosophyz of yours」、「ニリンソウ」、「DIS is a pain」、「刈り」あたりです。
総合 89

不安がかなり大きかったんですが、個性的なキャラ、高いクオリティの絵や音楽、そしてロミオらしい世界観設定でありながらもkeyの幻想的な雰囲気を残したシナリオと、全てにおいて高レベルで、最初から最後までものすごく楽しめました。



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