絶望の地平に朽ち逝く魂の残照
─── 滅び行く世界に燃え上がる命の炎
─── そして紡がれるもうひとつの未来
総合 |
シナリオ |
キャラ |
絵 |
音楽 |
エロ |
主人公 |
ゲーム性 |
NO.1キャラ |
91 |
9 |
9 |
10 |
10 |
― |
8 |
― |
社霞 |
※たぶんネタバレ全開。なるべく控えるようにはします。
シナリオ 9
長いです。あ、ちなみにプレイ時間の話です。まあ、発売されるまでも長かったですが・・・。まあ、それは置いといて、マブラブのプレイ時間が確か80〜100時間とかだったと思いますが、これがオルタ込みなら納得の時間ですね。
シナリオは完全一本道です。207B小隊のどのヒロインよりかで微妙に変化するところもありますけどほぼ同じです。どのヒロインでもいいなら冥夜よりの選択肢を選ぶことをおススメします。霞が好きなら特にそうするべき。
内容ですが、マブラブでの細かな複線を見事に回収しきってますし、ラストも気持ちがよく終わっていますので満足感はかなり高いです。マブラブから通してこれだけ密度の高い物語は見事としか言いようがありません。ところどころの戦闘は演出力がとにかくすごいので燃えられますし、次々とわかる真相は読むことをやめることを許してくれません。
基本的な流れは主人公が挫折と成長を繰り返しまくります。最初こそ英雄譚見たいな感じでしたが、中盤以降はとにかく挫折→成長の繰り返しです。主人公が多くの困難を乗り越え成長する話は好きですが、あまりにも持ち上げられて落とされることが多すぎるので、だんだん嫌になることも確かです。あまり気持ちがいいものではありませんね。主人公の心理描写が演出力の高さもあってよく表現されているので、シンクロしてしまって余計そう感じました。
後は1対1での会話シーンでの説明文が多すぎるのも欠点。多人数での会話ならともかく1対1であまりにも長い会話シーンはあまり好きではありませんし、それが萌えも燃えもない複雑な説明文ならなおさらです。かといってよく読まないと物語からおいていかれますし、結構苦痛でした。
戦争部分では甲21号作戦や桜花作戦での名も無き艦長達の叫びや、桜花作戦前の演説などマブラブキャラとは全く違ったところで燃えさせられたり感動させられたりしましたね。特に桜花作戦前の演説は聞いていて涙が出そうでした。
「歴史が彼等に脚光を浴びせる事が無くとも、我等は刻みつけよう」
「名を明かす事すら許されぬ彼等の高潔を、我等の魂に刻み付けよう」
「旅立つ若者たちよ」
「諸君に戦う術しか教えられなかった我等を許すな」
「諸君を戦場に送り出す我等の無能を許すな」
「願わくば、諸君の挺身が、若者を戦場に送る事無き世の礎とならん事を」
長いシナリオですが、全年齢版では各話各展開ごとにかなり細かく回想できるので見直すのは簡単です。
ラストの遺書の部分も一度クリアすれば全て見られるようになっています。
プレイ中によく感じたことはGPMにどことなく似てるということ。裏設定の方です。学生兵とか、パラレルワールドとか、第6世代とかまんまって感じですね。共通点を挙げていくのも面白いかもしれません。
キャラ 9
鑑純夏・社霞
ちょっと違うけどほぼダブルヒロイン。いや霞の方はもう1人の主人公といった方がいいかな。出番多いですし、主人公と同じようにシナリオを通してどんどん成長していきますし、ラストを締めくくるのも彼女ですし・・・。
EX純夏はやはり最高に可愛いです。日記のシーンとか見るとそのあまりの思いの深さに泣きそうになってきます。00純夏は出番が少なすぎですが・・・。主人公の純夏は純夏という言葉には激しく同意。
霞はALの萌えシーンを一身に受けています。毎朝起こしてくれ、食事の時には「あ〜ん」をしてくれ、さらにはデートまであります。個人的には寝起きの時の髪を伸ばしたほうが可愛いと思いますね。全編通してかなり出番多いですし、とにかく可愛いです。ED後にさらにファンディスクとかでもいいですから、霞との本格的なラブラブシーンを強く望みます。
207B小隊のメンバー
個別イベントは冥夜以外は皆無に等しいですが、キャラそれぞれの性格、良さ、心理描写はEX編、UN編でたっぷりと描かれているので問題無しです。冥夜に関してはUN編で結局謎のままだった将軍悠陽とのシナリオがあるので前編通して印象が濃いですが、他のキャラは基本的に最初と最終決戦まで特に目立った活躍はありません。
その最終決戦ですが、今まで他の軍人と違ってどこか迫力が足りなかったんですが(あんまり出番もありませんし・・・)、見事に熱く活躍してくれます。特に普段はクールな彩峰の熱い叫びと冥夜のカッコよさが印象に残ってますね。パッケージでメイン張っているだけあって冥夜のカッコよさはかなりのものです。惚れた。
香月夕呼
いつでも冷酷な感じで正直ムカつく時もありましたが、UN編での夕呼先生とAL編での夕呼先生を比較した時の差を見ると、それだけオルタネイティヴ4を成功させるために必死だったとも言えるので、そう考えると怒りもなくなります。伊隅大尉との最後の通信やまりもちゃんの遺影を抱いたシーンをみるとなおさらそう感じます。
ヴァルキリーズ
まず伊隅大尉、「君がいた季節」は全く知らないですが、とりあえずヴァルキリーズの中では一番好きです。初登場での隊長として凛とした態度と時々見せるコミカルな一面、そして甲21号作戦前夜での素の姿、みんな魅力的です。最後の通信での大尉との語らいは感動と同時に強く心に残りました。あれは反則です。泣きました。
水月と遙は仲良しです。やはり水月はポニーテールの方が似合っていると再確認。水月の方は通常・戦闘ともヴァルキリーズで一番といっていいくらい大活躍なんですが、遙はどうにも影が薄いです。水月はとにかくカッコいいですよ。
風間・宗像はキャラは立っていましたが、日常でも戦闘でも特に活躍は無し。印象には濃く残ってますけど。
茜はあんまり活躍しませんでしたね。正直影薄いです。ですが風間・宗像があの後死亡したとしたら、臨時少尉だった霞を除くと最終的にはヴァルキリーズ唯一の生還者になりますね。活発な性格は変わらないです。
柏木は意外とキャラが立っていました。正直驚いた。マブラブではちょい役中のちょい役見たいな感じでしたが・・・。たぶん伊隅大尉の次くらいにキャラが立っていた。飄々とした感じの笑顔とその裏の強い思いが好きです。
鳴海孝之は明星作戦ですでに戦死しているようです。慎二は相変わらずハブにされてるのか出てこないです。たぶん明星作戦で孝之と一緒に戦死したんじゃないかと妄想します。慎二ですし・・・。
煌武院悠陽・月詠真那
悠陽がラストを見る限り本当は非常にノリのいいキャラっぽいですね。悠陽の示したものは主人公がぶつかった最初の問題でもあり、さらには最後まで付きまとう問題です。たぶん主人公に一番の影響を与えた人物でしょう。
月詠さんはとにかくカッコいい。EXではどっちかというとぼけキャラの印象が強かったですし、UN編ではほとんど出てこなかった月詠さんの本領発揮です。戦闘ではたぶん全キャラで1、2を争うほど強いです。EX編でのしっかりしながらどこかアホっぽいところも持つ月詠さんも好きですが、AL編でのカッコいい月詠中尉も大好きですね。
その他の軍人たち
熱いです。名もないキャラに涙したのは初めてです。帝国連合艦隊のメンバーは熱すぎます。OPムービーでの並んで敬礼しているところの意味がわかった時思わず震えましたね。メインメンバーは女キャラがほとんどなので男キャラの生き様にはホント燃えます。好きなサブキャラは信濃艦長・安倍、駆逐艦夕凪艦長・一文字、門兵・伍長。
主人公 白銀武 8
かつてこれだけ挫折と成長を繰り返した主人公はいないでしょう。
シナリオの欄でも書きましたが、ウジウジ悩む部分があまりにも多すぎるのは難点です。いくらなんでも多すぎる。しかし、あの狂っている世界において、最後の最後まで冥夜を撃つのを躊躇う姿は良かったです。最後の叫びは心に響きました。やはりあそこで戸惑わずに撃つような人は白銀武ではないですからね。マブラブから含めて何十時間も共にしている主人公なので思い入れはかなり強いです。様々な人に支えられ、多くの人との出会いと別れによって成長した主人公に涙。
絵 10
うわぁ、いや、まあ、何というか、アホじゃないかと? すご過ぎです!! やり過ぎともいえるくらいの凄さです。
立ち絵が動く動く、演出面ではこれ以上のゲームはないかというくらいのすさまじさです。つーか無理ですね。通常の会話シーンでの演出も光まくりなんですが、戦闘シーンでの演出は神がかっているどころではありません。ワイド画面をうまく使ったコクピットは機体が動くと画面が揺れたり、距離を示すメーターや武器の弾数がきちんと変化したり、細かなところまで妥協がありません。この演出によって戦闘シーンでの文章が皆無でも臨場感が出まくっています。
「極めるとはこういうことだ・・・」とか聞こえてきそうなくらいの桁外れの演出力です。
イベント絵に関してはかなりの数があり、ここぞという場面どころには必ずあります。
メカに関してはどれも似たようなデザインで、周りに見せ付ける意味がある武御雷以外は色が地味です。ガンダムとかでも量産機が大好きな自分としては大満足。冥夜専用武御雷がやはり一番カッコいいですが、その他の中では吹雪が好きです。そして別格に好きなのは凄乃皇、量産機は確かに好きですが、それ以上にこういう大型起動兵器が好きで好きでたまらないです。四型もいいけど弐型もいいなぁ。フル装備での四型の活躍をぜひ見てみたかったですね。
ありえない髪形についてはマブラブでも同じなので割愛。冥夜の横姿だけは何度見ても慣れなかったけど・・・。
OPムービーについては音楽の欄のところで話します。
音楽 10
歌は全5曲、OPが2つに挿入歌が2つにEDが1つ。ED以外はみんなJAM Projectです。熱さは申し分なし。
まずOPの「未来への咆哮」、オルタ発売のかなり前に主題歌としてCDが発売されていたので、すでにかなり聞いていたんですが、やはりムービーが加わるとぜんぜん熱さが違いますね。UNのOP曲が「マブラブ」だったのがどれだけ場違いだったのかよくわかります。当時は良くできていると思いましたが、今見ると物足りなさでいっぱいです。
新OPの「Name〜君の名は〜」も同じくらいに熱いです。自分的にはこっちの方が好み。ムービーにネタバレ要素が高い分プレイすればプレイするほどその時の熱さが伝わってくるようになっています。逆に「未来への咆哮」の方のムービーはアニメ部分でのキャラが立ち絵と違いすぎてどうもいまいちな感じがありました。
挿入歌2つは、曲自体はOPの2曲と比べて地味な感じがしますが、そういうシーンだったので別にいいです。
ED曲は「マブラブ」、ALまでプレイした後に聞くと歌詞に秘められた本当の意味を知ることが出来ます。かなり深いです。
BGMの方は何曲あるかはわかりませんが、大体マブラブEX、UNからの曲だったと思います。新曲もいくつかあったとは思いますが、よくわかりませんが、どの音楽も場面に合った良曲だったことは間違いないです。
演出面でも戦闘シーンなどで臨場感がでるようになっていて、ここでも妥協のない作りが感じられます。
エロ・グロ
エロシーンに関しては下半身と乳首がなければいいのか?という感じ。乳が見えてます。
グロシーンに関しては隠し方が絶妙なので、それほど緩和されていません。伍長の首とかモロだったし。
超どうでもいい事(超ネタバレ)
EDで柊町をロング遙とポニー水月が仲良く歩いていたんですけど、EX編での茜からして遙が事故にあったのは間違いないので、遙が事故にあったのに水月がポニーのままって事は、君望本編と違ってヘタレofヘタレの孝之は遙が事故にあってもヘタレないで、退院するまでずっと遙一筋だったという可能性が一番高いですね。遙が事故にあうのは孝之と付き合っていたという条件が必要だし、水月がポニーのままってことは孝之がヘタレ廃人になってないって事ですし。
まあ、そもそも遙は孝之と付き合わないで偶然事故にあったとかも考えられてしまいますけどね・・・。
総合 91
設定や演出など全てがかなりのスケールのゲームです。ここまで延期しないで発売されていたらエロゲー史に名を刻む超傑作になっていたでしょう。結果的には内容とは別の意味でエロゲー史に名を刻んでしまったのでちょっと残念です。
どうせならEX編、UN編、AL編と3部構成にして間をあまり空けずに発売して欲しかったです。サプリとか作ってないでさ。
何だかんだいってもageは凄いという事を実感させられましたね。マブラブ製作発表時からオルタの根本的な部分はできていたと思うので、そう考えるとこのゲームの設定のほとんどが4年も前にできていたということになります。
自分は全年齢版を買いました。無印がどうかは知りませんが、回想シーンがある分こちらの方がいいかもしれません。
戻る