彼女たちと出会い、神那島の空が、恋色に染まるっ
総合 |
シナリオ |
キャラ |
絵 |
音楽 |
エロ |
主人公 |
ゲーム性 |
NO.1キャラ |
84 |
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6 |
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― |
橋本優喜 |
シナリオ 8
話数形式で全23話。かなり長いです。大まかに分けると、キャラ紹介とも言える学園での日常生活を描いた1部(1〜8話)、廃校問題とその裏にある陰謀を突きとめようと紛争する神那島クルセイダーズの活躍を描いた2部(9話〜20話)、個別ルートの第3部(21話〜23話)となります。個別ルートは少ないですが、全体的なボリュームは並じゃないです。
まずこのゲームはとにかく日常会話が面白い。キャラがヒロインはもちろんのこと、サブキャラもみんないい味出しているやつらばかり良い感じですし、画面演出をこれでもかというくらいに使いまくって繰り広げられるテンポ良い軽快な会話シーンは、いつもすごく楽しい気分にさせられます。それにしてもこの画面演出はマジすごい。記憶にある限りではいままでのゲームの中で一番かも知れません。立ち絵を動かしたり大きさを変えたりしてその場の様子を演出するのも良く出来ていて感心させれらましたが、顔枠と学園全体MAPを使っての野球シーンとかには感激すら覚えました。
序盤は個性的なキャラたちとの面白可笑しい学園生活が繰り広げられるのですが、8話のラストで廃校問題が立ちあがると、反対運動がメインになっていきます。最初はいまいちやる気では無かった主人公も9話の事件を機会に反撃開始。ただの廃校問題ではなく、その裏に何かがあると感じ、仲間たちとその陰謀をぶち破ろうと地下組織神那島クルセイダーズを作ります。正直それまでの学園物語がかなり面白かったので、がらりと変わった雰囲気に最初は戸惑ったものの、プレイしていくうちに主人公のやる気に感化され、夢中でプレイするようになりましたね。目に見えない巨悪に立ち向かう主人公という構図は燃えます、9話のラストで第2OPが流れた時は思わず鳥肌が立ちました。
10話以降はとにかく主人公の能力の高さが目立ちまくっています。それまでも成績優秀、家事万能、日常大工どころか、屋根の防水加工までやってけ、運動能力に関しても本人は低いといっていますが、客観的に見ると十分高いです。クルセイダーズを結成してからはその有能っぷりにさらに拍車がかかり、常に思考が2手3手先を行き、学生とは思えないくらいの頭の回転の良さを見せます。と言っても腹黒とかではなく、他者に影響を与えるほどの真っ直ぐな行動力を見せ、物欲に染まった大人を改心させ、頑固オヤジを説得するという、お前はどこまで行くんだというくらいの大活躍でした。
また、主人公の活躍だけではなく、メイン・サブキャラ含めてほぼ全てのキャラに見せ場があり、キャラ達の魅力がよく伝わってくるのがとても印象的。そのせいで長くなってしまっているのも個人的には無問題。
ただ、主人公が活躍するのはいいんですが、活躍しすぎなのがどうしても気になりました。情報収集から計画の立案、そして実行までほぼ全て主人公の活躍で何とかなってしまうので、あまりにもうまくいきすぎというか、主人公の能力がチートすぎて違和感を感じましたね。ヒロイン勢は基本的に護衛かただの雑用係みたいな感じですし、せめて一人くらいは主人公と同程度の頭の回転を持つキャラがいてくれたら、もっと物語にもメリハリがついて深みがましたんじゃないかと思います。敵役含めてほぼ全てのキャラが主人公の引き立て役になっていますからねぇ。熱血バカの春樹が早々にリタイアしたのが痛かったのかなぁ。まあ、主人公の火つけにはなりましたが、座り込みの場面とかはああいう直情的なバカキャラの方が盛り上がった気もします。あとは風紀委員の設定とか、佳代子の裏設定とか、もうちょっと違った形にできなかったのかぁと思えるところも結構ありますね。特に佳代子の設定は正直いらない。
そんなわけで主人公が活躍しすぎでなのは気になりましたが、2転3転する展開は素直に楽しめましたし、共通ルートラストの廃校問題が解決する20話はなかなか熱い展開でしたね。まあ、盛り上がった分その後の個別ルートで問題が発生すると今更感が半端なかったりしてしまいましたが・・・。ただ、個別に関してはイチャラブ部分に関してはどのヒロインもかなりデレ成分強めになっており、ニヤニヤする場面が多いのは良かったです。
個性的で魅力的なキャラ達と、画面演出を最大限に使った会話シーンは面白く、何度も笑わせてもらいましたし、ストーリーもシリアス展開には賛否両論ありそうですが、個人的には良く出来ていて面白かったです。
キャラ 9
加納佳代子
黒髪ロングのクール美人。個人的にはこの黒髪ロングの髪型って言うのはかなりグッとくるものがあります。初登場のインパクトは強く、ツンツンした暗い雰囲気の娘かなぁと思っていましたが、主人公に懐いてからは中身は想像以上に普通の女の子だということが分かります。気持ちをまっすぐに向けられるのが苦手みたいで、慌てふためいてオロオロする様子がとてつもなく可愛いです。にゃんこ萌え。他にもエロ話が苦手で真っ赤になって照れる様子も良し!! 打てば響く可愛いキャラですね。個別は自分が主人公にできることは何かと悩み、たどり着いた先がエロだというのが素敵でした。ただ、シリアス設定は正直生かしきれていたとは言えないので、普通に剣道少女でよかったと思いますね。
篠原聖良
金髪ツインテールの魔王。ツンデレキャラっぽいですが、ツンデレっぽさはないですね。自分の思った事をまっすぐにぶつけてきます。暴虐無人でいつでも好きかったやっている印象ですが、大事なところではきちっとしめてくれるのはかっこいいです。何気にかなり友達思いなのもいい感じですね。男前なシーンが目立ちがちですが、個別ルートでの自分の主人公への想いを自覚してからの猛烈アタックは可愛すぎて萌えまくりです。シナリオは終盤の団体戦がマジ茶番だったのは残念ですが、共通で残ったいくつかの伏線が解決したのは良かったです。
服部彩
幼馴染。いつも元気でパワフルなワンコキャラ。言動がワンコですが、能力までワンコです。今時逆に新鮮に映るくらいのオーソドックスな幼馴染キャラですね。ボケキャラとしては面白いですし、主人公の言葉を勝手に勘違いしてエロ妄想しちゃう様子とかは萌えまくりです。慌てる様子がマジ可愛い。幼き日の約束という定番イベントも良く出来ており、グッと来ましたね。共通では能力的にボケ要因か匂い探知機ぐらいの活躍しかできないので影が薄いのが残念。個別は他キャラと比べて特にシリアスな展開にならず、事件は起こるものの日常生活の延長って感じですかね。個人的にはシリアスは共通で十分だったので、一番好きなシナリオになっています。みんなで力を合わせてって言うのも良かったです。
内海静奈
天然のお嬢様。ほんわかした雰囲気に癒されます。非常に甘え上手で、甘えられると何でもやってやりたくなりますね。笑顔がとても似合っていて可愛いです。みんなが直接的な表現を避けるように言った下ネタをずばりと言ってしまう天然っぷりも可愛いです。あんなお嬢様がはっきりとセックスがどうとかいっちゃうのは、見ているこっちが恥ずかしくなりますよ。Hでは攻めキャラというのもいい感じです。また、いつも天然でほんわかしていますが、自分の中にしっかりとした芯を持っている年上らしいところも見せてくれます。個別は最大の難点と思われた堅物爺様を共通で攻略?しているのでどんな感じになるのかなぁと思いきや、結局そんな展開かよっ!!とツッコミを入れたくなるような今更感満載な展開でした。
伊東美琴
ツンデレ妹。もちろん焼きもち属性も完備しています。お兄ぃの呼ばれ方が何かツボにはまる・・・。最初はその兄を蔑む辛辣な言葉にイラっとくることも多かったですが、親友の藍の前で見せる素直な気持ちを見ているとどんどん可愛く思えてきます。体調が悪くなった時だけ素直になって甘えてくるっていうのも萌えポイントの一つですね。小悪魔っぽい面を持っているのもいい感じです。個別は・・・やっぱり今更感があるなぁ。他のキャラをクリアした後とかだと余計にそう思うかもしれません。事件の解決も共通ルート以上にうまくいき過ぎな感じがしましたしねぇ。
中西藍子
美琴の親友で主人公の後輩。最初登場した時は、その容姿と言動の可愛さから攻略ができないことにガッカリしました。あの大人しそうな感じとか、女の子らしい女の子しているところとか可愛すぎます。美琴の親友役として相談に乗ったり色々とサポートしたりする様子が印象的ですね。その他前に出るキャラが多い中で、緩衝材としても大活躍です。
三木真智子
風紀委員のメガネさん。見た目どおりの堅物キャラ。ただ、最初はただの堅物キャラかと思いきや、主人公達と仲が良くなってくると色々と女の子らしいところもたくさん見えるようになり、いっしょにゲームをやったり、恋する乙女してたり、見ているだけでニヤニヤできるようなシーンをたくさん見れます。バニーのシーンは特に良かったですねぇ。シナリオが進み、超堅物だったまっちゃんが段々と融通がきくようになる姿もいい味出しています。実は結構な熱血漢で、主人公達の言動に感化され、自分の中の風紀委員としての姿を見失って悩む様子がよく描かれていました。
毛内清美
静奈さんの執事。いつも周りに振り回されて気苦労が絶えない苦労人です。胃が痛くなって薬を飲むシーンがなんだか泣けてきます。まあ、実際見ている側としては静奈さんや他のみんなにいつも振り回されている様子が微笑ましくて可愛かったりしますけどね。何気にエロ耐性が低く、エロ話になると真っ赤になって逃げていく様子がかなり萌えました。
橋本優喜
超一押しキャラ。初登場時では聖良へのツッコミ役で引き立て役かと思いきや、いや実際シナリオ上はそんな感じもあるんですが、とにかく可愛いんです。ゆっきー超可愛い。真面目で優等生なのに、なぜか(性的に)いじられ役になることが多く、いじられて真っ赤になって慌てる様子が可愛すぎます。正直たまらないです。エロ下着のイベント絵がないのはバグですか? 自分でも何でこんなに好きになっているのかわからないくらいの超お気に入りのキャラですね。
阿部久志
友達思いのいいやつですが、変態キャラです。オープン変態。古今東西変態キャラは多いものの、ここまで普通の学生っぽいのに超オープンな変態は珍しいと思います。ドMですしね。シナリオでは主人公の引き立て役感が半端ないですが、自分なりに何とかしようと奔走する様子は良かったと思います。まあ、ほとんどが裏目に出たりはしていましたが・・・。
藤堂春樹
バカ。直情的な熱血漢ということで、極めてスタンダードかつ分かりやすいバカですね。面白いですし、久志との変態バカコンビがいい味出しています。佳代子や聖良にトラウマ埋付けられてビビる様子も情けなくてよし。シナリオでは早々にリタイアしてしまい、その為熱血分が不足してしまいますが、その分共通ルートラストでは燃えました。
主人公 伊藤誠吾 8
シナリオ欄で散々書きましたが、超チート能力の持ち主です。文武両道、家事万能、日常大工どころか大抵のものは直せるという基礎能力に、常に思考が2手3手先を行き、学生とは思えないくらいの頭の回転の良さ、ホントどこまで行くんだというくらいの能力で大活躍を見せます。頭がいいなんてレベルじゃないです。火がつきにくいのが欠点と言えば欠点ですが、一度決めた後の行動力には素晴らしいものがありますね。8章ラストの主人公が戦う決意をするシーンは燃えました。この主人公ならヒロイン達が惚れまくるのも納得ですね。
絵 9
可愛い絵ですね。立ち絵とイベント絵でキャラの印象が少し違っていたりというのも少しありましたが、全体的にレベルは高いです。個人的にはサブキャラの方が見た目好みなキャラが多かったかなぁ。そして何よりも演出力が半端ないです。立ち絵を動かしたり反転したり、大きくしたり小さくしたりして場の臨場感を表現し、会話シーンを盛り上げてくれます。これがホント素晴らしい出来で、ここまでうまく効果的な演出は今まで見たことがないくらいです。他にもフェイスウィンドウの使い方や、背景の動かし方など、斬新な発想と細部までこだわっている演出力には感動させられましたね。シナリオの長さに対して圧倒的にイベント絵の枚数が少ないのは欠点ですが、それを感じさせないくらいに立ち絵が動きまくっていたので、クリア後にCG鑑賞を見て、その少なさにビックリしました。OPムービーのカッコ良さにも注目です。
音楽 8
BGMは可もなく不可もなく。全体的にレベルは高いですが、特に印象深い曲もなかった感じですね。歌は全4曲で、OP2曲の良さが光っています。特にOP1の「二人色」はテンポよく爽快感あふれる曲になっており、聞いていて気持ちがいいです。かなりのお気に入り。OP2「Revolution」も初めて流れた場面が熱くて印象的です。
エロ 6
尺も質もそこそこで、萌えゲーにしては結構エロい方だと思います。個人的には主人公の見た目がショタっぽかったのと、いまいち絵にエロを感じなかったりしましたけどね。ヒロイン達がみんなやけにエロに積極的なのは嬉しいところです。
総合 84
とにかくボリューム満点でプレイ時間がすごく長くなりましたが、すごく面白かったです。キャラはメインサブみんな魅力的ですし、シナリオも面白い。シナリオがいいキャラゲーっていうのはやっぱりいいものですね。あんまり期待しないでプレイしたこともあり、思わぬ良作に時間を忘れて夢中でプレイできました。それにしてもゆっきー可愛い。
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