戦女神2
〜失われし記憶への鎮魂歌〜


鈴の音が響き渡る時、その答えは静かに導かれる……。



総合 シナリオ キャラ 音楽 エロ 主人公 ゲーム性 NO.1キャラ
80 7 8 7 7 7 8 9 ハイシェラ

シナリオ 7

まずこのゲームは戦女神"U"なので、前作未プレイの場合は予備知識として同梱されている戦女神のTのプレ版をやった方がいいです。さらに幻燐シリーズなどもやっておくと、よりすんなりゲームの世界に溶け込めると思われます。

ストーリーは割と普通に進行します。ルート分岐は途中に少しありますが、基本的には一本道、複雑な複線みたいなものは無いですし、予想外の展開というのもあまり無いですが、それだけに盛り上がりどころは抑えてますし、味方だけではなく敵の事情もいろいろと見れて良い感じでした。 ただ、やはり独特な世界観に関する説明不足は否めないので、初めてこのディル=リフィーナの舞台のゲームをやる人はつらいかもしれません。魔神とか神格者のすごさとかの説明があまりないので、神殺しのすごさも伝わりにくいです。何だかよくわからないけどすごい、くらいにしか伝わりません。

また、ストーリーの本筋自体は序盤から中盤にかけての七魔神や国々の思惑、そして終盤のセリカの過去についてなど、普通に面白く読めるんですが、各キャラのイベントという面では微妙な感じです。あまり個別イベントが無いので各キャラの印象がかなり薄いです。敵の七魔神の方が濃いくらい。キャラが多かったりするのはいいんですが、それならきちんと各キャラのイベントが欲しかったですね。終わってみてどんなキャラだったのかを思い出しにくいです。使徒もヒロインクラスのエクリアとシュリはともかく、マリーニャなんて個別イベントが皆無になっています。

そんなわけで、RPGとしてストーリーを見るとなかなか良い感じですが、エロゲーRPGとして各キャラの個性を出すには失敗している感じです。もう少しキャラをしぼって、各キャラのイベントを増やして欲しかったですね。

あとこれはシナリオ外のことですが、通常シーンで場所移動をする時に、いちいち街の広場にもドラ内といけなかったりするのが苦痛でした。セリカの屋敷とかも、直で各部屋にいけるかどうかで快適度がかなり変わりそうです。この移動部分のせいで、会話スキップをあまり役に立たないので、2週目のやる気がわきにくいです。
キャラ 8

エクリア・フェミリンス

幻燐シリーズプレイ済みの自分としては、まずその性格の変わりっぷりにビックリです。幻燐シリーズの時は激しい性格だったのに、まさかここまで変わるとは・・・。セリカの第一使徒で一番の理解者ということで、ゲーム中の出番は多いでが、セリカにあまりにも忠実なのでヒロインっぽさはあまり無いです。ストーリーの展開でシュリと2択で寝取られっぽくなってしまうのがきついです。戦闘ではゲームの特性上、広範になると魔法が役立たずということで微妙。序盤は強いんですけどねぇ。これだと幻燐シリーズやったこと無い人の場合、エクリアの強さがわからなそうです。

マリーニャ・クルップ

元盗賊で活発な娘。個別イベントがほぼ皆無で、セリカとの出会いや関係も薄いのでストーリーでの活躍は無いですが、献身的過ぎる使徒の中で、唯一積極的にセリカにアプローチをかけてくる性格が良い感じ、明るいキャラが少ないので目立ちます。戦闘は全キャラ中屈指の攻撃力と、お宝発生率UPの便利スキルのおかげで終始一軍に定着、とにかく攻撃能力が半端ない。攻撃力だけなら全キャラ中一番。あんまり強すぎて他のキャラが育たなくて困るくらいです。

シュリ・レイツェン

たぶんメインヒロイン。優遇されています。ただ個人的にはイマイチ、何か合わなかったです。あんまりにも健気過ぎたかなぁって感じです。エクリアはまだ幻燐で思い入れがあったからよかったんですけどねぇ。戦闘は中盤くらいまでは唯一の回復役ということで活躍できるんですが、レヴィアやロカが回復魔法を覚えると一気にお役ご免になります。終盤はもっぱら控えで雑魚戦後やボス戦前専用の回復役になってしまいました。だって戦闘に出すには脆いんだもの・・・。

サリア・レイツェン

どじっ娘メイド、見た目が一番好きです。あのふわふわしたツインテールがいい感じです。性格も冒頭の「ご主人様ふかふかするですか?」が萌えたのでお気に入りになりました。戦闘は序盤〜中盤は役立たずですが、後半になって召喚魔法を覚えるとやっと使えるようになります。ただ召喚の熟練度を一から上げるのが・・・。バリバリ活躍できるサリアの誕生にはキャラへの愛が必要不可欠です。戦乙女喚石が使えるようになる頃には最強キャラの一員になれます。

レヴィア・ローグライア

途中主人公になる場面が何回かある準主役、素直になれない系です。見た目とか性格とか好みなんですが、頭の悪さと正義感強すぎて自分が全て正しいと思っている感じが馴染めませんでした。レジスタンスの件はフォローできないくらいにダメダメでした。最初は好きでしたが、このあたりでだんだんとウザく・・・。戦闘では中盤以降に回復魔法を覚えると防御力の高い回復役として使えます。攻撃に関しては並の上くらい、素早さがあがりにくいのがネック。

ロカ・ルースコート

前作未プレイなのでよくは分からんが、セリカとは色々あるらしい。惹かれあっていながら完璧には交わることの無い微妙な関係。聖女クリアとの関係やなどのことが分かってないので何とも言えないです。大司祭の言動もよく分からんし・・・。性格はあまり個性が無い感じですが、あのしゃべる方が好きです。登場は早いのに終盤まで活躍するイベントがあまり無いのが残念。その分12章は大活躍でしたけどね。戦闘は攻撃、魔法、回復、さらには魔導鎧と万能に活躍しますが、どうしても器用貧乏っぽくなってしまいます。攻撃役にするよりは回復役にした方がいいかも?

マウア・フィズ=メルキアーナ

メルキア帝国の皇女。レヴィアと同じく正義感にあふれたキャラですが、こちらは無知からきているということが分かるので、子供を見守る感じで大丈夫です。Hシーンはレヴィアと2択、貴重な今作品で初めて主人公とHするキャラなので貴重です。戦闘では魔導鎧が強い。最強の魔導鎧であるマーリア(だっけ?)を手に入れると、レベル120以下では無敵の攻撃力になります。セバスの門で大活躍。魔導鎧の一番攻撃力が低いやつを連発してるだけでOK(威力がでかいやつはタメも大きいので、弱いのを連発した方が強い)、さらには支配力操作も使える不動の一軍。

シェンナ、シェスタ

双子のエルフ。元気なお子様。自分はどっちがどっちかの区別がついていません。イベントは少ないけど、会話シーンでの印象度はそれなりにありました。戦闘はかなり微妙。性能的にはシェスタの方は育てれば使えるが、キャラ的に戦闘の貴重な5人のうちの一つを使うのが何かちょっと・・・。育てるのも面倒ですし、どうしても放置されがちです。

カウラ・グレイジー

体力系。天を突くツインテールが特徴。出番もイベント数も少ない、さらに加わるのが遅いという事であんまり語ることないですが、途中にエクリアと2人パーティーを組むことがあるのできちんと育てていた方がいいです。Hシーンとか見る限り結構可愛い性格してるのにもったいないなぁ。戦闘は攻撃力にすぐれる前衛系、普通に強いんですが、攻撃しか出来ないので、前衛系の中ではセイカ、マリーニャの最強攻撃系よりも劣り、さらにはレヴィアやロカには回復魔法の有無で劣る中途半端な感じ、仲間になるのが遅いので技の熟練度を上げるのが面倒なのも痛いです。

ウェンディス・プラーナ

カウラと同じ時期に仲間になるんですが、カウラ以上に出番もイベント数が少ない、さらに魔法使い系なので戦闘でも活躍できないという、エロ衣装以外の印象が無いキャラです。戦闘では仲間になる頃だと魔法使い系がザコになるあたりなので出番が皆無になります。育てようと思いましたが、魔法の熟練度を挙げるのが面倒なので断念。

七魔神

七魔神のうちで特に印象的なのが仲間にもなるラヴィーヌとレシェンテ、まずラヴィーヌはその容姿、性格、そして散り際で出番は少ないものの、強烈に印象に残っています。レシェンテはロリな外見と反面するしゃべり型が特徴。最初はただのロリキャラ程度の認識でしたが、仲間になったあたりで一気に高感度が上がりました。可愛いです。戦闘では魔法使い系で仲間になる時が遅すぎるのであまり役には立ちません。想像以上の弱体化でした。

ハイシェラ

主人公の短刀に入ってる魔神、いつも主人公と一緒なので出番はかなり多いです。あの性格やしゃべり方が大好き。一番のお気に入りです。出番も多いですし、準ヒロイン級の扱いになっています。戦闘ではセリカの召喚魔法として使用可能。使えるようになるまで苦労しますが、かなり強いです。序盤から積極的に召喚を使って熟練度を上げましょう。

使い魔

ただの召喚魔法用のキャラと思いきや結構活躍してます。使い魔できちんとした出番があるのはハイシェラを除いて、睡魔族のリリエム、天使のイザルーブ、ナーガ族のリ・クアルーの3人(?)、中でもリ・クアルーなんか普通にカルラ、下手すればマウアとかよりも出番が多いです。ちなみに一番のお気に入りもリ・クアルーです。イザルーブもきちんとしたイベントがありますし、リリエムもボケに活躍しますし、愛着のわく使い魔たちです。
主人公 セリカ・シルフィル 8

このゲームを買うに当たっての一番の心配要素が主人公で、感情が希薄というのがどの程度なのかというのがかなり気になってました。結果としては問題ないくらいだったので一安心。もっとぶっきらぼうなキャラだと思ってましたが、ちょっと鈍感くらいで感情が希薄というのは(Hシーンのぞいて)、全くと言って良いほど気になりませんでした。ハイシェラとの会話シーンはお気に入りです。ラストの自身の過去が分かる場面など、きちんと燃えさせてくれましたね。
戦闘はとにかく強い。通常攻撃の強さ、召喚魔法、技の強さ、サポート面でも攻撃強化に、支配力操作など大活躍です。
絵 7

絵はかなり癖があります。幻燐シリーズと比べて、癖の強さが大きいので合わない人にはきついかもしれません。立ち絵は意外と表情が豊富、キャラ数も多いのに良い仕事してます。イベント絵も枚数が多いものに、一枚一枚がきちんとしています。キャラの描き分けもできていて良い感じ。ただ、元々古いゲームなので、絵の古臭さはぬぐえないです。
音楽 7

あまり印象に残る曲は少ないですが、戦闘シーンなど聴いていて不快になることもなくまとまっています。OP曲の「魂の記憶」は普通に良い歌なんですが、聴く機会があまりないので印象には残りにくいです。
エロ 7

キャラが多い分エロシーンも多いです。シチュも豊富で着衣も多い、質も尺もそこそこあるんですが、絵の癖が強いのと、主人公の感情が希薄という設定が影響して、いまいち盛り上がりに欠けます。
ゲーム性 9

RPGです。ダンジョンを探索して、敵を倒して、宝を探すゲームです。

ダンジョン探索については特に不満なし、微妙に見難い部分もありますが許容範囲内です。ダンジョンもそこそこの大きさで仕掛けもあって攻略意欲をそそりますが、ちょっとエンカウント率が高いように感じました。

次にRPGの肝である戦闘シーンです。戦闘はグランディア(分かるか?)などに近い、半リアル型、幻燐と同じですね。参加人数は最大5人ですが、戦闘中に入れ替え出来ます。戦闘中の行動はすべてフレームを消費して行うことになります。戦闘をすると経験値をもらえて、その経験値はパラメーターに自由に振り分けられるので、自分の好みで戦闘スタイルを変えられます。一昔前のゲームとは思えないくらいによく出来ていると思いますが、いくつか気になる点もありますね。
まず魔法の使えなさ、素早さによってターンがくるまでの早さ、攻撃をするまでの早さが決まります。よって素早さが下がる防具を外して全裸で戦うのが最強。魔法はフレーム数を消費する割には威力がそんなに高くなく、また熟練度をきちんと上げないと高レベルの魔法を使えないので後半は出番がなくなります。次に操作性の悪さ、これは普通の会話部分もそうですが、技や魔法をかなりの階層に分けているので、魔法を使いたい時などかなりのクリック数を使わなくてはいけません。これがかなり面倒、反応もあまり高くないので繰り返していると嫌になってきて、自然とザコ戦ではAuto戦闘が多くなります。ショートカット機能が欲しかったですね。熟練度上げが面倒です。

使い勝手の部分で不満はありましたが、全体的に見るとよく出来ています。やり込み要素もきちんとありますし、必要スペックも今のゲーム系と比べると雲泥の差ですし、今あるムダに必要スペックが高い割には微妙なゲームも見習って欲しいですね。これだけ詰まっていてサイズ1.5G以下というのは驚異的です。
総合 80

これだけのゲームを2002年に出していたエウシュリーの力はすごいです。ゲーム性という面ではエロゲー界でも屈指の出来であり、純粋なRPGという枠の中ではトップかもしれません。ゲーム好きならやってみて損はないです。



コメント求む!!! 戻る