初雪から桜まで、卒業おめでとう
総合 |
シナリオ |
キャラ |
絵 |
音楽 |
エロ |
主人公 |
ゲーム性 |
NO.1キャラ |
89 |
8 |
10 |
8 |
10 |
6 |
9 |
― |
小坂井綾 |
シナリオ 8
初雪(冬)から桜(春)への季節の移り変わり、卒業をテーマとした物語。攻略順はほぼ固定、プロローグ→桜BAD→綾、夜→シロクマ、希→グランド(桜)となっています。1週ごとに様々な謎がわかっていくタイプなので、なるべくネタばれは控えますが、推奨プレイ順は桜BADの後の一人目の攻略キャラは綾必須。その後はお好みでいいと思います。
シナリオは主人公が過去の怨念に囚われて復讐を果たそうとする物語。プロローグの引きがこれ以上ないくらいに素晴らしい出来になっており、冒頭から物語にぐいぐい引き込まれまれていきます。プロローグをプレイし終わり、その後の桜BADまでプレイした後にはもう完全に夢中です。シナリオ設定は復讐とか過去の怨念とか、ヒロインたちの抱える過去にも暗いものが多いんですが、随時にコミカルなシーンやヒロインとのイチャラブシーンがあるので暗い雰囲気にならず、コメディとシリアスのメリハリが非常にうまくいい感じに付いており、最後まで飽きずに夢中でプレイしていました。
日常会話は個性的なキャラ同士の軽快なテンポのノリが楽しい。言葉のキャッチボールが素晴らしく、他のゲームにはない独特なセンスの笑いを堪能できます。主人公の毒舌っぷりがかなり酷いので引いてしまう人もいそうですが、見ているうちにかなりのツンデレっぷりがだんだん面白くなっていきます。ヒロインたちはいかにもエロゲーっという感じのあざとささえ感じる萌え要素が詰まったキャラばかりですが、主人公のツンデレっぷりとうまくかみ合って、どのキャラも非常に魅力的になっており、ここまでどのキャラも可愛いと思えたの久しぶり。イチャラブ部分は量は少ないですが、質は非常に高く、各キャラの学園祭でのラブラブっぷりには毎回萌え転がってニヤニヤしまくっていました。
ストーリーは終わりが個別どころかグランドエンドでも心からのハッピーエンドではなく、どのルートでも愛しい人との別離があるので、ハッピーというかビターという感じなんで賛否両論ありそうですが、個人的にはどのルートも締めるところはきちんと締められて、いたので良かったと思います(まあ、ヒロインとのラブラブハッピーエンドも見たかったという思いはありますけど。特に綾)。中でもグランドルートの特に卒業EDは感動しましたね。それまで散々個別で「卒業」を強調しつつもたどり着けなかった桜の季節だけに、あのEDの流れは心にじーんときました。難点は伏線の回収が急だったことですかね。特にランは桜と並ぶ最重要キャラの割には思ってた以上にあっさりとしており、カットしてもいいところがカットされてなくて、カットしてはいけないところがカットされていたような印象を受けました。
個性的で魅力的なキャラ、先が気になるシナリオ、萌えと笑いと燃えが盛りだくさんの上、エロゲーマーの心をくすぐるちょっとした厨二要素もあり、最初から最後まであきることなくプレイすることが出来ました。
キャラ 10
玉樹桜
不思議なバニー少女。元気で人懐っこい性格の可愛らしい女の子。とりあえず可愛い。バニーがいちいち可愛い。下ネタに弱く、主人公に下ネタ振られて「ぴゃーぴゃー」言いながら恥ずかしがる様子とか萌え転がりまくりです。何だこの可愛い生き物。バレンタイン祭での全校放送での痴話げんかとかたまんなかった。個別では主人公とのラブラブ同棲生活もあり、イチャラブっぷりを思う存分堪能しました。空いた時間に何となくだらだらと一緒に過ごしている様子とかすげーいい感じです。同棲生活ならではの萌えイベントの数々に感動です。シナリオは何を語るにしてもネタばれ無しでは語れないキャラなんですが、桜の主人公への想いの強さには胸が熱くなりました。何かと手をにぎりたがる理由とかもう・・・。
小坂井綾
バイト先の先輩。プロローグでは主人公とは近すぎず遠すぎない不思議な距離感でしたが、自身のルートをプレイすると見方が一変するキャラです。最初は凛々しくクールなキャラかと思いましたが、普段はお世話焼きで飄々としつつも、実はすごくお茶目で、いきなり突拍子もないことをしたり、妙なこだわりをもったりと、付き合っていくうちにどんどん色々な顔を見せてくれるようになります。バレンタイン祭に誘う時のやり取りとか萌え転がりすぎてマジでキュン死しそうになりましたよ。綾シナリオはいわゆる過去編、舞台はプロローグの前となっており、主人公と綾の出会い、綾がアルバイトを始めるまでが描かれます。個人的には個別では一番面白かったシナリオですね。綾の可愛さもあってぐいぐい引き込まれました。EDもまたこれから2人の未来が始まる寂しさと嬉しさを感じられるもので良かったです(他シナリオ考えるとそれもちょっとという感じですけど・・・)。あと綾はグランドルートでもバッド扱いですが専用エンドがあり、こちらは綾の危うさと主人公への想いの深さを十二分に感じられるものになっており、扱いはバッドですがかなり気に入っています。
あずま夜
学園の後輩。個性的でぶっちゃけ変人が多い中で、女の子らしい(ピンク色の)思考、常識的な言動を持っているキャラです。まあ、着ぐるみとか変な部分が無いとは言えないですけどね。その常識的な思考を持っているがゆえに、主人公にいいように振り回されます。自爆の果ての「処女だもんっ」はエロゲ史に残りそうな迷言。他ルートでも主人公とヒロインとの恋話にワクワクしたりと、すごく可愛らしい良いリアクションをするんですよねぇ。ノリツッコミが似合いすぎるキャラ。イチャラブ部分が他シナリオと比べて多く、特にバレンタイン祭での萌え力は凄まじかったです。シナリオは本筋からは離れていましたが、2転3転して楽しめました。黒幕へのお仕置きが無いのは残念でしたけどね。
東雲希
立派なアバズレを持つ自称不良娘。主人公に憧れ、男同士の友情を求めて男言葉を使いだす、頭が非常に残念なアホ娘です。
主人公とのアホが共鳴するかのようにひたすらアホが広がっていく変な空間には笑いまくり、主人公に憧れて主人公の友になろうとして空回ったり、進路指導委員長を立派に努めようとして空回ったり、見ていて飽きない女の子ですね。でも1人ファミレス誕生会はやめておけ。悲しくなるわ。個別で主人公への憧れが実は恋心だと気づいてからのアタフタっぷりは萌えまくりました。こういう恋心をいまいち理解していない子が恋を意識しだす時ってホント可愛いですね。シナリオはある人物の復讐を希が止めるというもの。ラスト直前に颯爽と駆けつけた主人公がカッコよかったです。
シロクマ
素性不明の女の子。名前も偽名です。言動がいちいち可愛いマスコット的キャラ。いつの間にか「ぐるるしろ」に病みつきになっています。見た目も言動も性格も小動物みたいで、最初は主人公にビビりまくりでしたが、一緒に買い物したり勉強したりしていくうちだんだんと懐いてくる様子が可愛らしい。主人公を意識しだして、主人公を想ってオナニーしたところを、主人公に見つかるイベントが最高でした。シナリオはシロクマの受験が1部、学園に入って3年生になってからが2部の2部構成ですが、おせじにも良い扱いとは言えないですね。ラブラブシーンがないとかそれ以前の問題です。
ラン
明るく元気ではっちゃけた性格、ジャイアントスイングによる教育的指導で面白さと可愛さを兼ね揃えた女の子を見せつつ、プロローグラストでの怒涛の引きは素晴らしいの一言でした。ただ、シナリオ欄でも述べましたが、ランのキャラつけの為には、もうちょっとランと主人公が一緒に暮らすようになったあたりの話を詳しく描写して欲しかったです。
主人公 河野初雪 9
自身の全てを復讐に費やそうとする呪いとも言うべきものを背負っている主人公。このゲームは主人公の成長がテーマの一つとしてあり、復讐のしがらみに囚われところ、ヒロインたちとの交流により、復讐以外の生きる目的を得ることにより変わっていきます。迷走しながらも決めるときは決める主人公ですね。一部変な方向に迷走しすぎる時もありますけど。
学生としては素行の悪さ、口の悪さから不良学生と言われて周りから浮いていますが、実際は口がものすごく悪いだけで、素直になれなくて照れ隠しに悪態ついたり、めんどうくさがりながらも何だかんだで世話焼きだったりと、要するに一言で言うとツンデレです。カラオケとか本当はすごく楽しみなのに、あえて嫌そうにふるまったり(しかもそれが周りにバレバレだったり)、ヒロインとの学園生活で徐々にデレ状態になっていく主人公が見ていて微笑ましくて面白かったです。
絵 8
複数原画ですがどのキャラもみんな可愛いですし、立ち絵もイベント絵も十分な質と枚数があって良かったと思います。まあ、質に関しては複数原画だけあって結構ばらつきもあるんですが、十分許容範囲内だったと思います。
音楽 10
かなり力が入っていますね。BGM、ボーカル曲ともに高レベル。BGMはコミカルな曲からシリアスな曲まで、ゲームの雰囲気に合った静かで不思議な雰囲気の曲もあったりと、印象に残る曲が多かったですね。歌はOP曲、グランドOP曲、各ED曲と超豪華。どの歌も名曲ばかりなんですが、個人的なお気に入りはグランドOP曲の「prest」、このゲームのテーマに沿った歌詞に、テンポの良い音楽が良く合っています。あまりに聞き過ぎて手拍子が耳から離れなくなったくらいです。
エロ 6
ヒロインの可愛らしい姿に萌え萌えできますし、エロいはエロいんですが、抜けるかというと抜けません。でも萌えました。
総合 89
あざといくらいに萌え力を集めたキャラに萌え転がり、個性的なキャラ同士の掛け合いに笑い、超ツンデレな主人公とのやり取りにニヤニヤする。それだけだと飽きもくるが、随所にシリアスとエロゲーマーの心をくすぐるちょっとした厨二要素を入れて、先が気になる飽きさせない展開になっています。キャラゲーとしても、シナリオゲーとしても名作だと思いますね。
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