E×E


―魂を、解読せよ



総合 シナリオ キャラ 音楽 エロ 主人公 ゲーム性 NO.1キャラ
77 7 8 9 8 8 6 籠夏希

シナリオ 7

可もなく不可もなく・・・燃え系のゲームとしてはイマイチですが、萌え+ミステリーと考えればいい感じです。

ゆずソフト第2弾、前作から方向性をかなり変えています。とりあえず絵は良さそうだし、音楽と主人公がヘタレでなければ、たとえシナリオイマイチでも楽しめるだろうぐらいの気持ちでやってみたらすごく面白かったです。足りないと感じるところは多いですが、ダメだと感じるところは少ないよく出来たゲームです。

さて、まずストーリーは次から次へと敵が出てくるバトル型ではなく、謎を解き明かしていくミステリー型です。展開はどのシナリオも大きく分けて2段階あり、まず目先の敵を倒し、事件が解決したと思ったら、まるでバトンタッチしたかのようにそのシナリオでのラスボスが出てきます。最初は2転3転する展開に驚いたりもしますが、2週目以降はすぐに予想が付いてしまいました。謎部分の設定は構成不足なところはありますし、発想もどこかで見たような感じながらも、自分の好きな展開なので無問題です。ただ、その謎部分の解明がある時に一気に分かり、複線を張り巡らして徐々に真相に近づいていく見たいな感じが皆無なので、どうにも盛り上がりに欠ける展開になっています。

燃え系ゲームの要であるバトルは、始める前からどちらが勝つか分かるような力関係のものが多く、互角の実力者による緊迫した展開と言うのがあまりにも少ないです。大抵1対1、両者の実力差は明白、ここで勝たなくちゃシナリオが進まないみたいな場合を除いて消化試合みたいなものが多いです。一番盛り上がったのが影臣VS寿士、次点で夏希VS未緒、バトルは同姓同士のほうが盛り上がると思うんですが、このゲーム戦闘型の男キャラが極端に少ないからなぁ・・・。

戦闘シーンはそれなりに良くできているます。テキストがしつこくないし、画面演出もさっぱりしてるし、SEが結構いい音していています。物足りなく感じたりしますが、逆にそこがよかったと言う感じ、このごろの燃え系バトルものは、変に力を入れすぎてテンポが悪くなる戦闘シーンが多かったので、さっぱりしていてよく感じました。

このゲームは時折別キャラの視点になるマルチサイト型になっています。結構な頻度であるんですが、別キャラの視点の時はウィンドウが主人公視点のものとは違っていて混乱することがないのは好印象です。ヒロイン達の微妙な心の揺れ具合を表現するだけでなく、紅葉や紫織、そして八坂尚之の行動も把握できてうまく働いています。ただ、主人公達に危機が迫るときに、ほぼ必ず敵キャラ視点で1アクション起こるので、そのせいで次の展開が読め、日常シーンが緊張感に欠けるものになってしまっているという弱点もあります。

さて、ここまで微妙な燃え部分をレビューして来ましたが、ここからは萌え部分のレビューです。結論から言うと萌え部分はかなり良かったです。基本のデートイベントはもちろんのこと、イベント数もかなり豊富で、萌えシーンに関してはかなり充実しています。あまりに良すぎて燃え部分の淡白さがいっそう目立ってしまったと言う感じです。萌えを重視して見ると、燃え部分の欠点が利点になったりして、とにかくどのキャラも個性的で魅力的で萌えられます。プロローグ部分以外は事件と全くかかわりを持たないまま終わる円シナリオなんて下手な萌えゲーよりも良くできていたりしました。

燃え部分と萌え部分の合わせ方のバランスがイマイチで、全体的な印象も微妙な感じを受けますが、結構楽しめます。
とりあえず燃え部分に過剰な期待をしないで、絵や音楽や萌え目当てでやった方がいいかと思います。
キャラ 8

※誤魔化すのが面倒なので結構ネタバレしています。見る時は覚悟して見てください。

野宮悠

いきなりどうでもいい話から入りますが、似たような系統のAYAKASHIの主人公と名前が同じなので慣れるまで何度か勘違いをしたことがありました。いい感じのオーソドックスなタイプのツンデレキャラで、ツンの理由がしっかりとしていたのが好印象。最近よくわからず理不尽に突っかかってくるキャラ多いですからねぇ。人付き合いが苦手なので、波風立てないように学校では完璧美少女を演じようとするんですが、積極的に仲良くなろうとしてくる円と寿士に押されっぱなしです。時々あせって真っ赤になるのが可愛い。結構強い設定だと思ったんですが、実は戦闘能力という意味ではかなり低く、一般人の真姫奈や円を除いてたぶん一番弱いです。初デート、そしてやり直しデートでの萌えっぷりがたまんない。しっかりとしているようでちょと抜けているところがあるのが可愛いです。
シナリオは中盤の戦闘シーンで主人公がちゃんと活躍していたのと、悠のツンデレがいい感じだったので楽しめました。あまり間延びしませんでしたし、一番バランスよく出来ていたシナリオだと思われます。他のシナリオでは基本空気なのが残念です。これはどのキャラにも言えることなんですが、ヒロイン同士の共闘をもっとするべきだと思います。

籠夏希

クーデレキャラ。目が見えないほどのボサボサっとした前髪が特徴。テレビを持っていなかったり、イマイチ言動が普通の学生らしくなかったりするので、最初はクラスのみんなとは会話をしない、人付き合いが苦手な無口キャラだと思っていたんですが、自身のシナリオはもちろんのこと、どのシナリオでもクラスの一員として、切れ味鋭い一撃ツッコミキャラとして溶け込んでいます。「のま〜すイベント」や「鍋大好きイベント」みたいな茶目っ気のあるところもたくさんあるのもいい感じです。髪を上げると超美少女なのはお約束で、彼女のシナリオでは中盤以降髪を切ってさっぱりした彼女が見れます。まあ、自分はボサボサ状態も好きだったので、ちょっと残念に思ったりもしましたけどね。髪型変えるだけで元にちょくちょく戻るのかと思っていたら一方通行でしたよ・・・。意外なことに主人公へのベタベタ度がかなり高く、恋仲になってからは独占欲もでてきて主人公とラブラブです。メチャクチャ可愛いですし、かなり萌えます。萌え萌えです。
シナリオは中盤ひたすら萌えイベントばかりで、それはそれで嬉しいんですが間延びした印象を受けます。ただ、中盤以降はラストまで萌えとシリアスが交じり合っており、ラストがちょっと弱い感じもしますが、後味よく終わります。どのシナリオでもそれなりの出番があるのは夏希だけなんで色々と愛着がわきました。

貴船未緒

赤い髪に日本刀という構図がどこかのだれかを思い出させますね。性格は全然違いますけど・・・。イマイチ設定が見えにくいので、メインの中では一人浮いています。貴重な戦闘要員なのに他シナリオではほとんど活躍しませんし、そもそも年齢はいくつなんだ? 22〜24ぐらいだと思うんですが・・・。主人公の設定や性格的に、同年代の悠や夏希ならまだしも、未緒と結ばれるのには色々と違和感を感じてしまい、萌えイベントがあってもイマイチ萌えられませんでした。中盤以降の萌えイベントよりも、序盤で風呂上りに堂々と裸で牛乳飲んでいた頃のお姉さんぶりのほうが好きです。
シナリオは微妙。ボスキャラの影臣がイマイチ影が薄いですし、主人公は弓能力身につけられなくて活躍できないし、未緒も強いのか微妙なのか分かりにくいですし、ラストもあっさりと終わってしまいます。

伏見真姫奈

実妹。一応年齢的には10歳以上はいっているはずなんですが、それ以下にしか見えません。何かここまで純粋に魅力的だと感じる妹は久しぶりです。兄様(にいさま)という呼び方が個人的にツボ、お兄ちゃん子で主人公にいつも甘えてきます。活発でたぶん将来的には体育会系キャラになるんでしょう。拳で猪倒していましたし・・・将来が楽しみですね。
いかにもさらわれそうキャラなのに、そんなことは全くなかったです。と言うか冒頭の入院の時以外は本筋にほとんどからみません。個性的なキャラのおかげで存在感が薄くなると言うことはなかったですが、少々拍子抜けです。

八坂紫織

敵キャラ。いつもニコニコ何を考えているのか分からないんですが、夏希シナリオでは本性が見れます。黒っぷりや夏希シナリオでのラストの展開は気に入りました。できればもっと黒さを出しても良かったですね。ちょっと印象弱いです。

白峰沙耶

主人公の保護者役、年齢はたぶん美緒と同じくらいだと思われるので23ぐらい? 時には厳しく、時には優しいお姉さん。おかげで妹の真姫奈共々なかなか楽しい家族になっています。ちょっぴりお茶目でソフトSなところがいい感じです。教育お姉さんというほど堅物ではなく、かといって主人公ラブラブのだらけきった姉でもないちょうどいい人です。一応夏希ルートで分岐があり、そこで普段からかっているようにみえて、実ははマジで主人公のことが好きだったことがわかります。このルートではラストで夏希との主人公の取り合いが見れますし、最も燃えられる影臣VS寿士もあるんで必見です。

日向紅葉

敵キャラ。紫織とはほとんど役割りは同じですが、紅葉の方がパチンコ好きだったりと個性が立っています。悠ルートのラスボスで、彼女の正体や目的は悠シナリオでわかるようになっています。ちゃんとHシーンがあり、その時の彼女はかなりエロいです。見た目性格共に好きなキャラですが、やはり出番が少ないのが難点ですね。

伏見鈴乃・エクセル

いきなりネタバレですが、伏見鈴乃の体の中には今は別人の魂(その正体に関しては一応自粛)、本人の魂は黒猫のエクセルの中にいます。かなりぶっ飛んだ思考の持ち主で、なぜこの性格がそのまま主人公に引き継がれなかったのか悔やまれるくらいに面白い性格です。物語の重要人物(猫ですが…)の一人で、未緒シナリオでは空気ですが、悠や夏希のシナリオでは大活躍します。とにかく普段は面白いですし、決めるときは決めてくれるお気に入りのキャラです。

上御霊円

ゲーム中唯一普通の女の子、「ホモが嫌いな〜」や「エクスカリバー」のネタなど本当に普通の可愛い女の子です。いつもは寿士と共に仲の良いクラスメートで、シナリオが進むとどんどん存在感が薄くなっていうんですが、ちゃんと自身のルートもあります。シナリオもいつも仲のよい2人がふとしたことでお互いを意識して結ばれると言う、とてつもなく普通の恋愛物語です。しかもやけにしっかりと作られています。どうせサブキャラだからすぐに終わると思っていたんですが、かなり長いです。他のキャラのシナリオの萌え部分だけを抽出した分くらいはあります。仕草がいちいち愛らしくて、恋仲になった後の甘くてラブラブな感じがたまんなかったです。

加茂寿士

主人公の悪友で、よくいる陽気でおちゃらけキャラ。普段は日常生活の中の貴重なギャグキャラですが、実は魔術師と言う設定です。どうせ最初の方しか出てこないと思っていたのでビックリしましたね。夏希(沙耶)ルートでの活躍ぶりはすごかったです。VS影臣戦はゲーム中一番燃える戦闘シーンでした。結構好きなキャラです。

八坂尚之

プレイする前とプレイ後でかなり印象が変わりました。見た目いかにもな悪役ですが、基本的に普通の人間なので無力、その無力さはどのシナリオでも最後まで変わらなく、ラストを前に恋人を目覚めさせることは決して無いと知り退場します。見た目から、自分は病院で真面目に仕事をしている姿もブラフで、腹の中ではドス黒い何かを計画しているキャラだと思っていたんですが、彼の中には恋人のことしかなく、ただそれだけを思っている超純愛キャラでした。

宇治上影臣

この人もいかにもな悪役面です。あるシナリオでは味方だけど別のシナリオでは敵みたいなのを予想していたんですが、普通にどのシナリオでも味方にはなりません。どうにも中途半端な存在で、一応絶対的な強さを持つ敵キャラと言うことなんですが、イマイチ強さが伝わってこない・・・。他の敵と比べてキャラもつかみにくいですし、微妙でした。
主人公 伏見藤矢 6

ヘタレ要素があまりなく、ヒロイン達に対しても自分の気持ちを素直に伝える青臭い主人公です。ただ、何か違和感を感じることが多いです。説明しづらいんですが、鈍感なよくいる主人公からヘタレ要素を無理矢理取ったみたいな・・・。普段は言動共に普通の男の子なのに、いざと言うときだけやけに青臭く、立派に戦おうとする(実際出来るかどうかは別)のでギャップが激しいです。もっと普段から熱い要素を見せて欲しかったところですね。普段と緊急時が別人のようです。

まあ、燃えゲーの主人公と見ると駄目な感じですが、萌えゲーの主人公と見るとまあまあ良さげな感じです。
絵 9

キャラデザがかなり好みです。立ち絵のバリエーションは普通、ですがとにかくキャラが可愛いです。イベント絵はどれも綺麗に塗られていますし、枚数もまあまあ、背景もとても綺麗にできています。全体的なレベルはかなり高いです。

OPムービーがすごいですね。これだけ見ると超大作のようにも感じてしまいます。必見です。
音楽 8

曲数はそこそこ、どれもゲームの雰囲気には合っていたと思いますが、燃え系の音楽はちょっと威力不足でしたね。歌はOP、ED曲の2つ、どちらもムービーと合わせて聞いても単体で聞いてもいい感じの名曲です。その他何気にSEが良かったですね。戦闘シーンはもちろんのこと、猫の鳴き声や、その他日常シーンでもハッとさせられるものが多かったです。
エロ 8

結構濃いです。純愛ゲームにしては尺も長いし、回数も多い、1回に使われる絵の回数も多いですし、かなり充実しています。絵はエロ向きではないですが、他の部分で十分それを補っていますね。フェラも全員に完備していましたし、全然期待していなかったこともあってかなり良かったです。
総合 77

点数からも分かるように全体的にバランスよく作られた良作です。カウントダウンFLASHのノリの良さなど、丁寧に作られている感じが好感が持てますね。デビュー作のぶらばん!は体験版で主人公がイマイチだったので敬遠しましたが、今回のゲームも楽しかったですし、今後はゆずソフトには注目していきたいと思います。

最後にちょっとお勧め攻略順を言うと、悠→夏希(沙耶)→未緒→円がいいと思います。



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