いつか流せるだろう ──完璧な涙を
総合 |
シナリオ |
キャラ |
絵 |
音楽 |
エロ |
主人公 |
ゲーム性 |
NO.1キャラ |
76 |
7 |
8 |
8 |
9 |
7 |
7 |
― |
岡本ののか |
シナリオ 7
ヒロインの容姿・性格、そして設定などはそこらにあるちょっと不思議入った萌えゲーと同じですが、テキストの独特すぎる言い回しと、普通の萌えゲーとは異質なクセのありまくる主人公によって変わった印象を受けます。特にテキストのクセはすさまじい。自分は慣れるまでかなり時間がかかりました。体験版が無いのが痛いです。
シナリオは優しさの心を失った主人公が各々特別な事情を持ったヒロインと恋をして、心からの本当の涙を流せるかというもの、共通ルートは普通ですが個別ルートがかなり長いので、全体的なボリュームは多いです。この心を失った主人公というのがなりの曲者になっていて、思考や言動が普通の主人公とは全く違います。例えば道で女の子が襲われている時、普通は正義感を発揮してその女の子のために体を張って戦おうとするところ、この主人公の思考だと、自分とは関係ないから助けない→しかしもしそのことが街に知れ渡って生きづらくなる→仕方が無いから助けよう、とこんな感じになっています。他にも犬の死骸を見て、ゴミが落ちているから捨てないとと本気で思ったりと色々ととにかくぶっ飛んでいます。主人公は自分の変な部分を知っており、もし周り知られると生きづらくなるので、必死に心があるフリをします。
とにかく主人公のクセに最初は呆気にとられると思います。自分は慣れてくるとそんな主人公の変な思考が面白くなってきましたが、逆にどうしても慣れないとこのゲームを最後までプレイするの難しいでしょうね。自分も途中までは主人公のクセも好意的に受け止めていましたが、クライマックスまでほとんどそのまんまなのにはイラっときたりしました。
シナリオは各ヒロインのテーマに沿って、丁寧に段階を追ってヒロインたちの秘密や、主人公の考え方の変化が書かれています。しかし、途中まではいい感じなんですがラスト付近から急に展開が速くなります。このゲームは各ヒロインに各サブキャラがつく形になっているんですが、そのサブキャラが退場したあたりからラストまでは、それまでに比べて描写不足が目立ちます(特に無月を最初にやると訳わかんないと思われます)。さらにそのことに関連した設定の説明不足、というか活用不足ですかね。主人公やヒロインの設定自体はいい感じで練り込まれているんですが、どうにも活用し切れてない印象を受けました。うまいと感じる反面、もったいないと感じてしまったりしました。
シナリオ自体は何だかんだで結構楽しめたんですが、萌え部分が不足していたのは不満ですね。別に萌え部分が少なかったわけではないんですが、主人公のクセのせいで普通に萌えることは出来ませんし(これはこれで楽しめはしましたが・・・)、そのクセの原因の欠けたこの心はシナリオの最後の最後にならないと戻ってこない上、その後のエピローグはかなり短いのでどうしても萌え不足を感じてしまいます。アフターでHシーンの不足を補完していたのはよかったですね。
ちなみに全てのキャラをクリアするとタイトル場面に「Clear」というものが登場します。ゲームのまとめみたいなものです。
キャラ 8
キャラ多いですし、書くこともそんなに無いので短めに行かせてもらいます。
月村美姫
まさに幼馴染のテンプレートを使ったんじゃないかと言う完璧系の幼馴染です。笑顔が可愛い女の子で、見た目と違って結構積極的で、主人公に対しての溢れ出すばかりの好意が気持ちいです。シナリオは最後にクリアしたんですが、一番ビックリしましたね。プレイ途中まで完全に気づきませんでした。最初は自己犠牲が強い系の苦手なタイプの可愛いけど苦手なタイプだなぁと思っていましたが、そうではなかったので一安心。展開は最後があまりにも急過ぎますが、途中までは結構よかったです。できれば最後のシーンは扇太郎だけではなく杏子も欲しかったかな?
行野無月
義妹で実際は従兄妹という少々ややこしい設定。シナリオ展開から見るとメインヒロインっぽいです。D.C.の音夢を人見知りで甘えん坊にした感じです。可愛いは可愛いんですが、水泳部の件ではいちいち主人公に頼み込んできたり、微妙に自分勝手なところがあるのがちょっとウザかったりもしました。他の女の子と仲良くしていると拗ねてくるのは素晴らしいです。シナリオは謎の女のさえやひなのことがわかったりと、核心に迫るものが多いので最後にプレイするのが良いでしょうね。間違っても最初にプレイしてはいけません。展開は無月が一人で突っ走っている感が強くてイマイチに感じてしまいましたが、「優しさ」についてのテーマ的には一番気に入っています。
岡本ののか
ツインテールのメイドさん。最初は記憶喪失の設定やメイド姿などの、ありきたりな設定からあまり期待していなかったんですが、プレイしてみると一番萌えました。ドジっ娘メイド萌え。笑顔がとても優しい感じで、見ていて癒されます。夏祭り以降のラブラブは超GOOD!! シナリオは最初にやったのですがあまりの超展開に翻弄されました。改めて考えると他のキャラとは異質なシナリオですね。中盤にあのキャラが出たときにはビビりました。しかも厳しい残酷なヤツだと思っていたのに、やけに優しくて可愛いし・・・。ラストは一番感動しましたね。かなり無理矢理感もありますが良かったです。
本町春乃
見た目と性格からどうしてもリトバスの葉留佳さんを思い出してしまいます。幽霊を引きよせる性質があり、巫女さんのバイトをしています。正直割とどうでもいいキャラだったんですが、シナリオ進めていくと気に入っていきました。元気なところが暗い主人公にちょうど合います。シナリオはやけに気合の入った幽霊が強烈でした。特に7月1日の前夜祭?のイベントは印象深いです。展開は運動会の盛り上がりがすごかったですね眼鏡王国建国万歳!!。その分それ以降が微妙な感じです。ちょっと設定の明かし方がいきなりすぎなような・・・。展開自体は結構好きですけどね。
宮城野紗由
猫耳で能天気な性格の人形使い、一目見てこのヒロインは合わなそうと思いましたが、設定が分かるとそんな気持ちも無くなりました。いつもさゆりんという人形を持っていて、このさゆりんはしゃべります。紗由とさゆりんとのコントは面白かったですね。エピローグの時の紗由はかなり萌えます。シナリオは展開自体は二転三転と続くのですが、胸糞悪い描写が続くので素直に楽しむのはきついです。美姫もそうですが、あの商店街の変わり身の早さには呆然としますね。ラストの展開も他と比べてしょぼい感じがしてイマイチでした。ゆっきはもう少し活躍してほしかったです。
勝井扇太郎
アイキャンフライが合言葉の主人公の悪友。シナリオ終盤では活躍しないながらも、夏祭り、体育祭、臨海学校と各イベントでは活躍します。普段はバカやっていながらも、肝心な時のアイキャンフライがかっこよかったりするお気に入りキャラ。
近藤杏子
美姫シナリオのサブキャラ。ボランティア部に所属していますが、紗由シナリオの時は全く出てきません。
美姫に対抗意識を持っていて何かと競争を仕掛けてきます。最初はイマイチなキャラだったんですが、理由を聞いて好きになりました。最後にいつの間にかフェードアウトしたのは寂しかったですね。
有馬緋雨
春乃シナリオのサブキャラ。クラスメートなので普通に他のシナリオでも出てきたりします。初登場の時にいきなり刀を向けてきたりと、苦手なタイプのキャラだと思ったんですが、結構おっちょこちょいなところがあったりと、プレイしていて印象がガラリと変わりました。スイカ割のシーンはお気に入り。他にもちょくちょくギャグ部分で頑張っています。
会田ゆき
紗由シナリオのサブキャラ。おそらく各サブキャラの中で一番活躍度も印象度も薄いと思われます。正直自分もあんまり覚えてませんね。もうちょっと活躍してほしかったです。
市原瑞希
無月のサブキャラ。正直無月よりも萌えてました。見た目も性格も好みなので攻略したかったですね。あの遊園地でイベントが可愛いやら切ないやらで大変でした。あの後改めて付き合ってもちゃんとしたシナリオになりそうな・・・。
汀桜子・望月大
無月のサブキャラ。他でも出てきますが、本格的に活躍するのは無月シナリオです。この2人に関しては正直なんとも言えないんですが良かったねって感じです。なぜ桜子が大ちゃんを好きになったのかが不明なのがちょっと不満ですが・・・。
佐山ののか
ののかのサブキャラ。中盤〜終盤にかけて完全に良い人にならないで、ものすごく人間臭いところが気に入っています。
ボランティア部部長
なぜか立ち絵まであるのに公式HPでは紹介されていないキャラです。正直ゆっきよりもきゃらが立っているのになぜ? 眼鏡のショートで、ミスコンに興味があったり、美姫や紗由シナリオではあくまでも主人公たちの味方だったりと、ぜひ名前をつけてあげて欲しい良いキャラでした。「……ぐらぁっ!あんだこらー!やんのかあ!?」は印象的。
その他
理事長は最初のインパクトの割りに出番が微妙に少ない。水泳部顧問は意外とキャラが立っていた。ヌイグルマーはひたすらウザいので会話シーンはスキップ推奨ってところです。
主人公 行野光一 7
すでにシナリオの欄で書きまくりましたが、優しさの心を失って人の気持ちがわからない主人公です。ここまでクセのある主人公は今までいなかったというくらいですね。この主人公をどう思うかでこのゲームの評価が決まるといってもいいくらいです。かなり表現がしづらいんですが、一言で言うとものすごく後ろ向きでノリもイマイチな黒須太一?ですかね。嫌いな人もかなりいそうですが、個人的には結構気に入っています。やばすぎるクセが新鮮でした。
絵 8
正直キャラデザはあまり好みではないんですが、絵の綺麗さには目を見張りますね。さすがに大容量なだけはあります。立ち絵はバリエーション豊かですし、イベント絵はどれも丁寧で綺麗に描かれていますし、背景は画面効果も活躍してすごいことになっていいますし、どの部分とっても高レベルです。問題があるとすればヒロイン達よりサブキャラ達の方が見た目的に好みなキャラばかりだったということぐらいです。
音楽 9
BGMと歌全てあわせて50個・・・すごい力の入れようです。
BGMはどれも場面場面に合っていて違和感を感じることはあまり無かったです。ただひとつBlue Morningだけは、日常シーンの音なのに始まりの部分が何かの戦闘シーンの始まりと似ていて、やっていて違和感を感じてしまいました。
歌も豪華に全7曲、イメージソングが1つに、OP曲が1つ、ED曲が2つで、挿入歌が3つとなっています。イメージソングの「Perfect tears」とOP曲の「硝子のLoneliness」はどちらもゲームの内容に沿った名曲、思わず聞き入ってしまう良い歌です。挿入歌3つはいい歌ではあるんですが、どれも流れた場面が短すぎて印象に残りません。というか3つもいらないです。ED曲の「Crystal Love」はサビの部分が印象的な明るく静かなお気に入りの歌で、もう一つのED曲の「Brilliant Days」は「Clear」のときに流れるんですが、こちらもゆったりとしながらも壮大な歌になっています。
エロ 7
純愛系にしては頑張っていて、質も尺もそれなりにあります。回数はアフターも入れると一人2〜3回、全員にきちんと制服着衣Hシーンがあったことがかなりの高評価です。
総合 76
公式HPやゲームのパッケージを見る限りはちょっと不思議入った萌えゲーっぽいですが、主人公のせいでかなり変わった雰囲気のゲームになっています。素直におすすめできるようなゲームではないのですが、気になった人はやってみるといいです。責任は持てませが・・・。
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