あかね色に染まる坂


ツンデレ転校生との出会いから始まる波乱万丈ラブストーリー♪



総合 シナリオ キャラ 音楽 エロ 主人公 ゲーム性 NO.1キャラ
78 7 8 8 8 8 8 白石なごみ

シナリオ 7

発売後の評判がえらい悪くて不安でいっぱいでプレイしましたが、自分は普通に面白かったです。このゲームは公式HPのストーリーを見ると、ツンデレ許婚とのドタバタコメディの萌えゲーのように感じますが、実際はドタバタはドタバタでもキャラたちが面白おかしくやるドタバタではなく、お家騒動がからんで誘拐などが起こるシリアス度の高いドタバタになっています。自分は体験版部分である程度こういうシリアス部分のことを知っていたので、すんなりと受け入れられたんですが、プレイ前情報がほとんど無しで唯のまったり萌えゲーと思ってプレイすると痛い目にあうかもしれません。

青空の見える丘と同じ舞台(学校違うけど)でミコトがヒロインになったり、他にも主人公の性格とかシナリオの進み方(話数制度)とか全体的な雰囲気とか色々と青空の見える丘に似ている部分が多いですが、シナリオ的なつながりは皆無と言っていいです。前作キャラもミコトしか出ませんし、このゲームからやっても大丈夫だと思います。またやっている人は人で微妙に前作キャラをにおわす部分があるので楽しめると思います。主人公が「今となっては懐かしい。あの三人は今でも元気にイノシシを倒したりしているのだろうか。」と言ったのには噴きました。

共通ルートはかなり長いですが、あまり気になりませんでした。日常部分はギャグ中心、ネタは色々なところからとにかくたくさん入れて、質より量って感じですね。面白いのもあったけど微妙なものの方が多かったり・・・。まあキャラはみんな可愛いんで楽しいは楽しいんですけどね。お家騒動のシリアス部分は色々とシャレにならないことも起こりますが、そんなに深いシナリオ展開があるわけでもなく、すぐに解決するものばかりです。体験版である程度は覚悟していましたし、お家騒動部分では自分の大好きななごみが活躍するのでそれなりに楽しくプレイしてました。

青空と同じで話数制度なんですが、終盤はともかく序盤は話がロクに進んでないのにすぐ次の話に言ったりして1話1話の間隔がかなり短くなっています。また、各話の間に前作と同じように各キャラ視点のサイドストーリーがあるんですが、本編の話が短すぎる影響であまり役に立っているとはいえません。むしろ邪魔な感じでした。しかもシナリオ後半になるとなくなるし・・・。ただHシーンをサイド部分でやって本編に入れなかったのは今までに無い面白い方法だったと思います。

18〜19くらいまでは共通ルートで、そこから24〜26くらいまでは個別ルートになっています(ミコトルート除く)。基本的にどのシナリオもヒロインと結ばれる→事件があって離れ離れになる→仲間たちと協力して主人公が男を見せてヒロインを取り戻すのパターンです。共通ルートが長くて個別ルートが短いゲームにありがちな結ばれるまでの恋愛描写の不足みたいなものは感じませんでした。ただ湊に関しては色々とよくわからない行動をとることが多いのが不満、主人公に彼女が出来ると湊と暮らせなくなるみたいなのが当たり前のように語られるのはどうなんだろう・・・。内容に関しては可もなく不可もなく、ヒロインとのラブラブ部分がほとんど無く、結ばれた次の次の話くらいには離れ離れになったりするのは不満ですが、ラストはそれなりに盛り上がりますし、全体的に見ると結構まとまっています。

さて、ここでミコトルートに関して話すと、まずこのルートは本編とは完全に別になっています。パラレルワールドと言ってもいいです。内容も不思議と奇跡が絡んだもので、正直扱いに困ります。あまりミコトの魅力が出るようなイベントが無く、前作をやっている人用みたいな感じがあります。話はそんなに悪くないけど普通の物語にして欲しかったなぁ・・・。

色々と不満な部分があっても楽しんでプレイしていたのですが、一つだけどうしても我慢できなかったことがあります。それはかなりの頻度で「まさかあんなことになるとはこの時は知る由がなかった」みたいな表現を使いまくること、しかもタメなしで次の場面には該当する事件が起こったりします。こういうのはシナリオの山場に使うことで効果を発揮するのに、こんなに使いまくってたら、ただ不快感が募るばかりです。萌え部分を楽しんでいたりする最中でもしつこいぐらいにこの表現が出てくるのでかなりムカつきました。もうウザいったらありゃしない。

まあ、唯のまったり萌えゲーを作って欲しかったと言う気持ちは強いですが、結構面白かったです。
キャラ 8

謳い文句のツンデレがどうのこうのとかあんまり期待しないほうが言いです。

片桐優姫

ツンデレ許婚で姫。まず最初にツン部分に関しては納得できる理由だったのでよかった。「死ね」とか「バカ」とか結構きついこと言いますが、そんなにキツイ感じはしません。ここらへんはサイドストーリーのおかげかな? 初恋の相手が主人公だったと言うのがわかってるとどんなツンでも可愛く感じます。デレ部分はデレになってからのラブラブ期間が短いのであんまり堪能できませんでしたが、可愛いと思ったのは確かですし、久しぶりにマトモなツンデレキャラを見た気がします。優姫は確かに可愛いんですが、本人のルートより他のキャラのルートのほうが色々と魅力的でしたね。特に湊ルートの終盤のあの公園のシーンは何か感動して泣きたくなりました。あのシーンの優姫はかっこよすぎです♪
シナリオはグダグダな感じがあふれています。正直冬休みの部分を長く取って再開して終わりでも良かったんじゃないですかねぇ。学校内だけでならともかく、あそこまで事が大きくなったのにあの終わり方はいくらなんでもきつい感じでした。

長瀬湊

可愛いです。「兄さん」の呼び方がツボ、サイドテールもツボ、どことなくD.C.の音夢を感じさせる性格もツボと、久しぶりにヒットした正統派の妹って感じです。いつも主人公の世話を焼いて、他のヒロインと主人公が仲良くしていると嫉妬したり、我慢してじっとこらえたりと、妹キャラとしての萌えどころをガッチリ確保しています。実際かなり萌えました。
シナリオは優姫と同じくグダグダな感じ、特に終盤が微妙すぎる。何でいまさら?やりすぎだろ?意味がわからん?という気持ちでいっぱいになりました。正直最後は優姫がかっこよかったところぐらいしか見所が無いです・・・。

霧生つかさ

幼馴染キャラ・・・のはずですが、そんな感じが全然しません。せいぜい中学のときの同級生ぐらいの印象、というか回想見た感じだと実際そこまで昔からの知り合いってわけでもなさそうです。要所要所で活躍はしますが、他のキャラと比べて明らかに存在感が薄く、下手するとサブの亜矢先輩よりも薄かったり・・・。全キャラで唯一片桐のお家騒動と全くかかわりが無いのも原因かな? 特に好きというわけではないが、いなかったらそれはそれで寂しいって感じです。
シナリオもやっぱり地味。友人関係から恋愛感情が生まれる―ぐらいで終わります。あんまり良いシナリオとは思えませんが、つかさの性格考えるとこういうシナリオもありだと思います。個人的には結構お気に入り。

白石なごみ

不思議系キャラ。このゲーム一押しのキャラです。とにかく会話シーンが面白い。なごみのバイオレンス毒舌とそれに答える主人公とのコントがかなり笑えます。格好いい言葉を言いたいだけシリーズにはどれも大爆笑でした。チラリ攻撃も破壊力高いので要注意。なごみは実はある組織のエージェントで色々とできる女です。この特性上、他のシナリオでもシリアス場面を解決する切り札的存在として大活躍します。優姫シナリオとか観月シナリオとかさりげなく良い役を取っていきますね。個別シナリオでは今までの態度そのまま、でもデレデレ状態になりかなり萌えます。「なんですかもう」はかなりの破壊力を持った萌えセリフですね。Hシーンとかで毒舌吐きながらも甘えてくる様子が超可愛いです。
シナリオはなごみのキャラのよさ抜いても一番面白かったと思います。なごみ事態が特殊キャラなので中盤からシリアス色が強くなり、その影響で最後の多方面戦?も違和感なくドキドキしながら楽しむことが出来ました。どのキャラも活躍していたのが印象的、ラストの抜群のタイミングで使われた双子ネタは見事でした。なごワープは面白すぎます。

椎名観月

アイドル会長さんです。笑顔がとっても可愛い癒し系。萌えるとかよりとにかく可愛い。実は腹の中は黒くて、シナリオ中色々と暗躍しています。個別ルートでは主人公を本当に好きになってしまい、超ラブラブ状態になるんですが、このラブラブっぷりがかなり高く、全シナリオ中一番といえます。思う存分萌えまくりましょう。他のキャラのルートではその手腕で主人公を助けます。亜矢先輩との名コンビでの活躍が光りますね。
シナリオは観月とのラブラブ度が高かったのが好印象。他には色々と暗躍していた観月の正体がわかるシナリオなのででプレイするのは後のほうに回したほうがいいです。ラストは他のシナリオと同じく主人公がかっこつけて騒いで終わりなんですが、とにかく先輩が可愛いので楽しかったです。エピローグの川原のシーンとか大好きです。

橘ミコト

前作青空の見える丘のサブキャラ。今作で攻略できるようになりましたが・・・不思議系の話になってますし、ミコトの魅力が発揮される部分が少ないし、性格が微妙に観月にかぶるしと、前作プレイ済みならともかく、前作未プレイのひとはどう思うんだろう?と不安になるキャラです。自分は前作から大好きなんでそれなりに楽しめましたが、どうせなら不思議系じゃないきちんとしたシナリオにして欲しかったですね。これで終わらすのは何か残念です。

二条亜矢

生徒会所属の寡黙なメガネキャラの先輩さん。要所要所でいい役についているので結構印象に残っています。なんでキャラ紹介にいないんだろう? 結局どういう立ち位置だったのかイマイチよくわからなかったですが、さりげなく観月や主人公を励ましたりする姿とか、18話での可愛い笑顔とか、最初の印象を覆すいいキャラでした。

西野冬彦

主人公の友人。完璧キャラ。前作で言うところの滝沢光一のポジションです。光一が完璧超人ながらもあくまでも主人公を立てるキャラであったのに対して、冬彦はどうにも主人公の上から目線の会話が多いので微妙に鼻がつくこともありますが、シナリオ終盤では的確なアドバイスをくれる良いキャラではあります。時々入るマニアック講義はウザいと感じながらも見入ってしまったり・・・。黒スト講義とか何か夢中で聴いてしまいました。

杉下清次郎

主人公たちの担任。非常にかっこいい先生です。正直この一言で十分な感じ。あのいたずらっ子っぽい笑顔が好きです。
主人公 長瀬準一 8

微妙な3枚目、昔はヤムチャ・・・じゃなくてヤンチャしてたみたいです。ジェノキラーという呪われた仇名あり。
普段はバカでエロな3枚目ですが、いざという時は鍛えられた瞬発力で活躍する、いかにもなバカ系のエロゲーの主人公です。まあいきなりキスはやりすぎですけどねぇ。ギャグ部分では体を張って笑いを取り、シリアス部分では(かなり滅茶苦茶ながらも)きちんと活躍する良い主人公です。
絵 8

絵師さんが複数いるんですが、あんまり違和感ありませんし、レベル高いです。キャラデザはみんな可愛いですし、イベント絵はシナリオ長さを考えると少ないですが、その分エロシーンの絵は多かったですし、ムービーも各話の間のSDキャラもみんなお気に入りです。やっぱり萌えゲーにおいて絵の重要性を再認識させられました。
音楽 8

悪くは無いが特別よくも無いほどよいバランスですね。OP曲の「せつなさのグラデイション」はテンポの良い歌。橋本みゆきさんが大好きな自分としては大満足。ムービーと合わせて聴くと楽しい気分になります。ED曲の「あかね色に染まる坂」も明るい元気の良い歌。普通に良い歌なんですが、あんまり印象には残っていません。
ただ一つ気になったのがタイトル場面が前作の主題歌の別Verだったこと、別に前作と同じ舞台ですし、似たような音楽を使うのはかまわないんですが、タイトル画面ぐらいは変えて欲しかったところです。
エロ 8

エロいです。絵とヒロインの魅力というのが大きいですが、尺も長いですし、回数も多いですし、かなりエロく感じました。大満足です。シチュはオーソドックスなものから、教室内での着衣H、巫女服やメイド服でのHなど充実のラインナップ。
総合 78

あまり幼馴染が得意ではない自分にとっては前作の青空の見える丘よりも楽しめました。

冒頭でも述べましたが、このゲームは体験版をもう2週間ぐらい早く出して、ただの萌えゲーじゃなくてそれなりにシリアス色も強いゲームだとアピールしていたらよかったですね。せめてストーリー紹介に「婚約を快く思わない黒い影」みたいな一文が欲しかったです。これから買おうと思う人は体験版をやってみることをオススメします。



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